東芝メモリは2018年7月24日、準備を進めてきた岩手県北上市でのNAND型フラッシュメモリ「新製造棟」について起工式を行ったと発表した。2019年秋の完成を見込んでいる。
東芝メモリは2018年7月24日、準備を進めてきた岩手県北上市でのNAND型フラッシュメモリ「新製造棟」について起工式を行ったと発表した。2019年秋の完成を見込んでいる。
また、新製造棟について「引き続き共同投資を行うべく」(同社)、Western Digital(ウエスタンデジタル)と協議を進めているとコメントしている。
東芝メモリは、今回の新製造棟建設について「エンタープライズ用サーバ向けやデータセンター向けSSDおよびスマートフォンを中心とした3次元フラッシュメモリの中長期的な市場拡大」を見込み、「生産体制を四日市工場と連携を図りながら確立し、さらなる事業競争力強化を図る」ためと説明する。
新生産棟は、同社の製造棟として最大規模となり、AI(人工知能)を活用した生産システムの導入などで生産性を向上した設備となる予定。また、免震構造の採用や、省エネ製造設備の導入により、環境面にも配慮した工場になると発表している。
具体的な設備導入の規模や生産能力、生産計画などについては、「市場動向を踏まえ、今後順次決定する」(同社)とした。
東芝メモリの新製造棟以外にも、エレクトロニクス各社の投資が岩手県に相次いでいる。
東京エレクトロンは2018年4月、同社製造子会社の東北事業所(岩手県奥州市)に新生産棟を建設すると発表。同棟は同年10月より着工し、第1期工事は2019年9月、第2期工事は2020年12月の完成予定となる。建設費用は約130億円で、熱処理成膜装置の製造に充てられる。
ヒロセ電機は2018年3月、同社子会社が建設していた一関試験センター新棟(岩手県一関市)が完成、稼働したと発表した。自動車や産業機械、産業用ロボットなどに向けたコネクター製品の試験能力を大幅に増強した。
また、デンソーは2017年3月、グループ会社であるデンソー岩手に新工場を建設し、生産を拡大すると発表した。グループのエレクトロニクス製品生産拠点へと移行させる狙いで、総投資額は2020年までに約100億円を予定。着工は2017年10月、生産開始は2019年5月となる計画で、新工場建設に伴う従業員数の増加については約1000人を見込んでいる。
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