富士キメラ総研は2018年8月29日、ディスプレイ関連デバイスの市場調査結果を発表した。2018年における同市場の市場規模は、前年比95.6%の14兆7402億円。テレビ向け大型液晶パネルの価格下落の影響により、市場規模は前年度から縮小することが見込まれている。
富士キメラ総研は2018年8月29日、ディスプレイ関連デバイスの市場調査結果を発表した。
2018年における同市場の市場規模は、前年比95.6%の14兆7402億円。スマートフォンが有機ELディスプレイの採用を進め売上比率を伸長させるが、テレビ向け大型液晶パネルの価格下落の影響により、市場規模全体としては前年度から縮小することが見込まれている。
2023年の市場規模は15兆7461億円と予測しており、2019年以降の市場はほぼ横ばいになるとみている。
中小型液晶パネルの市場動向は、主力であるスマートフォン向けの需要飽和に加えて、有機ELの採用拡大などの影響を受け、2017年の市場は縮小した。2018年以降もスマートフォンで有機EL採用は増加するとみられ、引き続き市場は縮小が予想される。
今後も市場の縮小傾向は続くとみられるものの、スマートウォッチやヘルスケアバンドなどのウェアラブル機器、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)、車載ディスプレイ、産業用ディスプレイ向けで成長が期待される。
一方で、中小型有機ELパネルはスマートフォン向けを中心に市場拡大が続いている。2017年に登場した「iPhone X」を皮切りに市場が拡大し、2018年も引き続き各種スマートフォンで採用が広がる。また、車載ディスプレイ用途の需要が増加しており、車室内の高級感を演出するなど今後高級車を中心にニーズが増加するとみられる。
2019年以降、フレキシブル有機ELを中心に中国メーカーの量産体制が整うとみられ、価格が下落することで普及が進み、拡大に転じるとする。
大型液晶パネル市場は縮小が続いていたが、2017年はテレビ向けの単価が上昇したことで拡大に転じた。2018年はノートPC向けが法人の買い替え需要により伸長するものの、PCモニター、タブレット向けが低調であるため再びマイナス成長に転じる。
2018年以降はパブリックサイネージ向け、業務用モニター向けの需要が堅調に拡大するものの、市場規模の大きいテレビ向けやPCモニター向けなどが縮小することで、市場規模は減退が続くとしている。
大型有機ELパネルでは、これまで量産可能なパネルメーカーが限られていたが、今後はパネルメーカー各社の生産ラインが本格稼働する見通しであるため、テレビ向けでも低コスト化が進行する。また、有機ELテレビを製品化するメーカーが増加していることからも市場は拡大傾向にあるとする。今後、ノートPC向け、PCモニター向けなども伸長するとみられる。
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