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896Gbpsの伝送帯域を実現する超高速光送受信モジュール(後編)福田昭のデバイス通信(163) imecが語る最新のシリコンフォトニクス技術(23)(1/2 ページ)

今回は、試作した光送受信モジュール(光トランシーバー)と光ファイバーを結合する技術と、試作品の外観写真、動作性能を解説する。

» 2018年09月14日 15時30分 公開
[福田昭EE Times Japan]

37個の回折格子アレイによって光導波路と光ファイバーを接続

 今回は前後編の後編である。前編を覚えておられない方や未読の方は、一度、前編を読まれてから、本編をお読みすることを強くおすすめする。

 前編では、試作した光送受信モジュール(光トランシーバー)の送信回路と受信回路の概要をご説明した。後編では、試作した光送受信モジュール(光トランシーバー)と光ファイバーを結合する技術と、試作品の外観写真、動作性能をご報告する。

シリコンフォトニクス技術で試作した、16チャンネルの光トランシーバー。上の写真は、光トランシーバーのシリコンダイを顕微鏡で観察した画像。シリコンダイの寸法は縦0.7mm×横3mm。16個の光変調器(上側)と16個の光検出器(下側)を作り込んでいる。1個の光変調器は、56Gbpsの速度で光信号を変調する。シリコンダイの左端は、光ファイバーアレイとシリコン光導波路を結合する回折格子(グレーティング)のアレイである。37個の回折格子が形成されている。出典:imec(クリックで拡大)

 光トランシーバーと光ファイバーの結合には、回折格子(グレーティング)型結合器と、専用の光ファイバー部品を使う。光トランシーバーのシリコン光導波路には、37μmピッチで37個の回折格子型結合器を形成してある。全体では六角形の、7列のアレイで構成する。1列ごとの結合器の数は、中央の列が7個で、上下に1列ずつずれるにしたがって6個、5個、4個と減る。

 37個の回折格子型結合器は、16チャンネルの光信号送信用と、16チャンネルの光信号受信用、それから半導体レーザーからの光ビーム受信用に割り当てられる。シリコンダイ表面と平行な方向に光導波路を伝搬してきた光ビームを、回折格子によってシリコンダイ表面と垂直な方向に折り曲げる。あるいはシリコンダイ表面と垂直な方向から照射された光ビームを、回折格子によってシリコンダイと平行な方向に折り曲げる。

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