Preferred Networks(以下、PFN)は2018年10月15日、開発中のパーソナルロボットシステム「全自動お片付けロボットシステム」のデモを公開した。10月16〜19日の会期で開催される展示会「CEATEC JAPAN 2018」(会場:千葉市・幕張メッセ)で一般公開する。
Preferred Networks(以下、PFN)は2018年10月15日、開発中のパーソナルロボットシステム「全自動お片付けロボットシステム」のデモを公開した。10月16〜19日の会期で開催される展示会「CEATEC JAPAN 2018」(会場:千葉市・幕張メッセ)で一般公開する。
公開した全自動お片付けロボットシステムは、部屋に散らばった日用品をロボットが認識し、日用品をつかんで拾い上げ、決められた場所に収納するというもの。人の声やジェスチャーも認識し、人の指示で片付けを行うこともできる。ロボットが認識する日用品の中には、形状が変わるタオルや衣類なども含まれた。
使用したロボットは、トヨタ自動車が開発する生活支援ロボット「HRS」を使用。ロボットの頭脳部分に相当するソフトウェアの大半をPFNが開発し、システムを構築した。なお、画像認識、音声認識、自然言語処理などの各処理は、ロボットと無線ネットワークでつながるGPU搭載サーバで実行している。また、物体認識は、ロボットに取り付けられたカメラに加え、天井に取り付けた複数のカメラを補助的に使用。「今回は、物体の認識速度を高めるため、天井にカメラを取り付け、ロボットの“目”を増やした。実際に、家庭などで使用する場合は、ロボットに搭載するカメラのみで対応したい」(説明員)という。
また、各種処理には、深層学習技術を用いている。今回のデモでは、あらかじめ教師データによる学習を済ませ、数百種の日用品を認識できる状況でデモを実施。リアルタイムでの学習は行えない構成だが、「将来的には、ユーザーが言葉でロボットにさまざまな事を学習させることは可能」(説明員)とした。
PFNの副社長を務める岡野原大輔氏は「これまでPFNは、深層学習技術をB2B(Business to Business)領域に展開してきたので、今回のデモのように一般家庭で使用するようなB2C(Business to Consumer)向けは初めて。B2B向けは、使用用途が限られ、決まった環境で使用される。一方、B2C向けは、誰でも使用できる完成したシステムが求められる」と従来以上に開発難易度が高かったことを示唆。実用化に向けた課題として「日用品の種類はさまざまで、認識できる日用品の数を(現状数百種から)数千、数万種に増やす必要がある。また、より柔らかいものをつかむハードウェアなども必要になる」という。
ハードウェアとしてのロボット開発について岡野原氏は「ソフトウェア技術のノウハウを持つわれわれがハードウェア開発に関わっていかなければならないと感じている。ただ、(特定の企業と開発するのではなく)オープンな立場で関わっていきたい。いろいろな企業や研究機関と共同開発が行うことが理想」と語った。
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