パナソニックは、「CEATEC JAPAN 2018」で、人間の表面温度や匂い、着座姿勢などの情報から、その人の状態を推定する「ヒューマンセンシング」技術などのデモ展示を行った。
パナソニックは、「CEATEC JAPAN 2018」(2018年10月16〜19日、千葉・幕張メッセ)で、人間の表面温度や匂い、着座姿勢などの情報から、その人の状態を推定する「ヒューマンセンシング」技術などのデモ展示を行った。
同社のブースでは、「見えないものの見える化」を実現するセンシングソリューションをいくつか紹介した。その1つがヒューマンセンシングソリューションである。これは、「感圧センサー」や「匂いセンサー」、カメラ画像などを用いた「人状態推定技術」などを組み合わせて構成する。ブースでは、個別の技術を紹介するとともに、これらのセンサー技術と人工知能(AI)技術を組み合わせて、人のリラックス度を推定するデモシステムの展示を行った。
感圧センサーは、シート状のセンサーで圧力分布を測定し、姿勢や重心の変化を分析して、人の状態を推定する。自動車のシートや事務所の椅子を想定したデモでは、座面や背もたれに感圧センサーを装着。「人が前かがみの姿勢や、落ち着かない挙動を示した場合は、眠気を感じたり、ストレスを感じたりしているとシステム側で判断する」(説明員)と話す。個別に技術を紹介するコーナーには216点の圧力センサーが埋め込まれたシートを展示した。
匂いセンサーは、皮膚や吸気の匂いを測定し、人の状態を分析するという。この人工嗅覚センサーには、4×4の構成で16種類のセンサー素子が組み込まれている。センサーは表面の有機膜に匂いが付着すると体積が変化する。この時に生じる抵抗の変化を計測する。事前にさまざまな匂いについて、センサー素子の反応パターンを学習しておき、その特徴点を認識して、匂いを「見える化」する。これらの情報からも、人の状態を判断することができるという。
さらに、カメラの顔画像や熱画像の情報から人の状態を推定する。カメラで撮影した情報をベースにソフトウェア処理を行い、「眠気レベル」や「感情状態」「集中レベル」などを推定することができるという。また、人の表面温度を捉えた熱画像の情報から、最適な空調制御などを行うことも可能となる。
この他、センシングソリューションとして、位置推定無線プラットフォームなどを活用した「ロケーションセンシング」、Imaging-LiDARや3次元測位ミリ波レーダーを用いた「空間センシング」といった事例もブースで紹介した。
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