TE Connectivity(以下、TE/日本法人:タイコエレクトロニクス ジャパン)は2018年10月16〜19日に開催されている展示会「CEATEC JAPAN 2018」(シーテックジャパン2018/会場:千葉市・幕張メッセ)で、コネクターの最新製品の他、センサー/コネクター製品のユニークな採用事例を紹介している。
TE Connectivity(以下、TE/日本法人:タイコエレクトロニクス ジャパン)は2018年10月16〜19日に開催されている展示会「CEATEC JAPAN 2018」(シーテックジャパン2018/会場:千葉市・幕張メッセ)で、コネクターの最新製品の他、センサー/コネクター製品のユニークな採用事例を紹介している。
コネクターの最新製品では、「インターコンテック丸形コネクター」として最小サイズになるM12(12mm径)サイズの「インターコンテック912シリーズ」を出品している。インターコンテック丸形コネクターは、2016年にTEが買収したIntercontec Groupが開発したクイックロックシステムを採用する製品。コネクターを嵌合後、ロック部を8分の1から4分の1程度、回転させるだけで、素早く、確実なロックが行える。
Intercontec Groupの地元である欧州を中心に、モーターやロボット、産業機器などの信頼性が要求される接続部に採用される。TEでは買収後、日本市場でもインターコンテック丸形コネクターの拡販に着手。ネジ止めが必要な樹脂製の角型コネクターが使用されるケースが多い日本市場で、インターコンテック丸形コネクターの利便性を訴え、採用数を伸ばしてきている。ただ「一部の顧客からは、もっと小型サイズの製品がほしいという要望が寄せられていた」(TE)とし、これまでM15(15mm径)までだったサイズ展開をM12まで拡張した。「M12のインターコンテック912シリーズにより、小型サイズを好まれる日本市場のユーザーにも対応できるラインアップが整った。サーボモーターI/O用コネクターとして提案していく」(TE)とする。
新たな接続の提案として、白物家電などに向けたワイヤレス給電システムのデモも実施している。TEは、産業機器などの用途に向けて、非接触で電力と信号を伝送できる非接触型接続プラットフォーム「ARISO」を製品化。今回デモを行っているシステムはARISOで培ったワイヤレス給電技術を、白物家電など幅広い用途向けに応用したもの。
デモシステムは、ヒンジ部分やスライド部分にワイヤレス給電機能を持たせ、ケーブルレスで電力および、信号を伝達する様子を見せた。
「炊飯器の上ぶた部分にディスプレイモニターを搭載する場合、ヒンジ部分に本体と上ぶたを電気的に接続するケーブル配線が必要になる。しかし、頻繁なふたの開け閉めによるケーブル断線の可能性があり、モニターの搭載は容易ではない。非接触のワイヤレス給電であれば、断線の恐れがない上、フタを簡単に取り外せるヒンジ機構が用いることができ、炊飯器としての付加価値を向上させることができる」という。
炊飯器以外にも「取り外し可能な冷蔵庫のスライド引き出しにLEDの照明機能を搭載するということも可能になる。白物家電以外では、360度回転する演出用照明などで、引き合いを得ている」と、応用範囲が広い点をアピールしていた。
CEATEC 2018のTEブースでは、国内外のスタートアップ企業での採用事例を、スタートアップ企業が製品化した実機デモを交えて紹介。その一つが、中国の深セン潜行科技(Chasing-Innovation社)の水中ドローン「GLADIUS」で、ブースに大型水槽を用意して実演デモを行う。
GLADIUSは、水深100m程度まで潜ることのできる上、水深分解能2mmで自身がいる水深を検知できる性能を持つ。この高い水深分解能を得る上で、重要なデバイスになる圧力センサー部にTE製品が採用されているという。
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