EETJ Rochesterと言えば、EOL品の在庫を半導体メーカーから譲り受けて販売するというイメージがありますが……。
波多野氏 確かに、70社以上の半導体メーカーから認定を受けて、20万種以上、150億個以上のEOL品在庫(一部現行品含む)を所有し、販売しています。ただ、EOL品在庫は、いつか底をついてしまいます。そこで、需要が一定数ありながらも、在庫が底をついたEOL品については、再生産を行って、供給を継続する“製造サプライヤーサービス”を提供しています。80186は、製造サプライヤーサービスで製造しているEOL品の1つです。
EETJ 80186では、Intelから製造レシピやテストプログラムなど、製造に必要な情報一式を取得しているとのことですが、そういった情報を得られない場合は、どうするのですか?
波多野氏 いくら需要があっても、製造に必要な情報が手に入れられない場合は、再生産を実施しません。中には、当時の情報がメーカーにも残っていないものを再生産することもありますが、その場合は、正規メーカーとともに再設計、再構築を行った上で再生産します。ですので、正規メーカー品と100%、スペックを保証できるものだけを再生産、継続生産し、供給しています。
EETJ 現状、どれぐらいのメーカーから認定を受けて、何品種ぐらいのEOL品を再生産しているのですか?
波多野氏 Rochesterの製造サプライヤーサービスには、大きく2つのサービスがあります。1つは、前工程の加工を終えたウエハーを正規メーカーから譲り受けて、Rochesterが在庫として所有し、必要な時に、Rochesterが後工程、すなわちパッケージングおよび、テストを行い出荷するというものです。これをRochesterでは“継続生産”と呼んでいます。
この継続生産サービスでは、現在7万種のウエハー、ダイ換算で120億個分を所有し、これまでに2万品種以上のデバイスを継続生産し、供給してきました。
そして、もう1つのサービスが、80186のように、ウエハーから再生産する“再生産サービス”です。ウエハー在庫が尽きた後に、再生産を実施し、供給を継続するケースがほとんどであり、多くのメーカーから認定を受け、実績が伸びている状況です。
EETJ 継続生産、再生産は、外部委託で賄っているのですか。
波多野氏 基本的に、製造は外部の協力工場を活用しているが、テストに関しては、自社でテスト施設を持ち、実施している。また、一部の特殊パッケージに対応するために、自社の組み立てラインを有し、製造している。
EETJ 継続生産、再生産できる製品、できない製品について教えてください。
波多野氏 基本的に、EOL品の継続、再生産であり、先端プロセスを採用するようなデバイスは手掛けていません。またMEMSデバイスも難しいです。ただ、レガシーなデバイスには対応できる体制が構築できており、パッケージでいえば、セラミック、メタルカン、プラスチックなど幅広く対応しています。
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