Intelの創業5年目となる1972年は、同社にとって記念すべき年となった。創業以来、初めて黒字になったのである。
Intelの公式文書である「年次報告書(アニュアルレポート)」をベースに、Intelの創業期の活動を創業年(1968年)から1年ずつ記述する連載の第6回である。前々回と前回は創業4年目である1971年の活動と業績を前後編で解説した。今回からは、創業5年目である1972年の主な業績と活動をご紹介する。
1972年のIntelで最も注目すべき出来事は、通年の営業損益が創業以降で初めて、黒字になったことだろう。総収入が前年(1971年)の2.48倍に伸び、2341万6659米ドルに達した。総経費は1935万3059米ドルである。総収入から総経費を差し引いた営業損益は、406万3600米ドルの黒字となった。最終損益も黒字で、純利益が308万3600米ドルとなった。なお、総収入の大半を占める製品の売上高は2297万729米ドルで、前年の2.50倍である。
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