ST、相変化メモリ搭載の車載用マイコンを出荷:28nm FD-SOI技術で製造
STMicroelectronics(STマイクロエレクトロニクス)は、組み込み型相変化メモリ(ePCM)を内蔵した車載用マイコンのサンプル出荷を始めた。このマイコンは28nm FD-SOI技術を用いて製造される。
STMicroelectronics(STマイクロエレクトロニクス)は2018年12月、組み込み型相変化メモリ(ePCM)を内蔵した車載用マイコンのサンプル出荷を始めたと発表した。このマイコンは28nm FD-SOI技術を用いて製造される。同社は、2020年までに車載用部品に求められる品質規格や信頼性試験などに適合させていく予定である。
車載システムは自動運転や車両の電動化への対応などによって、技術革新が急速に進む。このため、搭載するマイコンには処理能力の向上や消費電力の低減、内蔵メモリの大容量化といった要求が高まっている。特に、ファームウェアの複雑化や大規模化が加速する中で、メモリの大容量化は重要課題の1つとなっている。
今回サンプル出荷を始めた製品は、車載用マイコンとして初めてePCMを搭載したという。この技術を28nm FD-SOIプロセスに組み込むことで、容量が16MバイトのePCMアレイを実装した。ePCMはAEC-Q100 Grade 0に準拠し、動作温度は最大165℃を達成している。リフローはんだ付けなどの高温耐性や放射線耐性なども検証し、内部のファームウェアやデータが十分に保持されることを確認した。
開発した車載用マイコンは、パワートレインシステム、セキュアゲートウェイ、ADAS(先進運転支援システム)などの用途に向ける。
同社は、米サンフランシスコで開催された2018 IEDM(International Electron Devices Meeting)において、28nm FD-SOI技術を採用した車載用マイコン向けePCMアレイのアーキテクチャや性能ベンチマークの最新情報について発表した。
- TrustZone対応マイコン、声を拾う加速度センサー STが展示
STMicroelectronics(日本法人:STマイクロエレクトロニクス)は2018年11月14〜16日の会期で開催されている展示会「ET&IoT Technology 2018」(会場:パシフィコ横浜)で、IoT(モノのインターネット)におけるエッジ端末の高機能化、高性能化を実現する各種製品、技術の展示を行っている。
- STマイクロ、パワー半導体向けゲートドライバ
STマイクロエレクトロニクスは、SiC(炭化ケイ素)パワーMOSFETなどを制御するためのガルバニック絶縁ゲートドライバ「STGAP2S」を発表した。
- 有機的成長を図るST、2018年日本市場で2桁成長へ
STMicroelectronics(以下、ST)は2018年3月、同社社長兼最高経営責任者(CEO)のCarlo Bozotti氏と、次期社長兼CEO(2018年第2四半期就任予定)のJean-Marc Chery氏が出席し、都内で会見を開催し、成長戦略などを説明した。
- MEMSマイクでガス漏れ検知、STが最新製品群を展示
STマイクロエレクトロニクスは、「TECNO-FRONTIER 2018(テクノフロンティア)」で、「Smart Industry」の実現に欠かせない、「センシング」や「モーター制御」「電源制御」に関連する最新ソリューションを紹介した。
- 深層学習を32ビットマイコンで実現 STがデモ
STMicroelectronicsは、「embedded world 2018」で、32ビットマイコン「STM32」にDNN(ディープニューラルネットワーク)を実装するデモを披露した。
- ST、測定距離最大4mのToF測距センサーを発表
STMicroelectronics(STマイクロエレクトロニクス)は、独自の「FlightSense」技術を用い、測定可能な距離を最大4mとしたToF(Time of Flight)測距センサー「VL53L1X」を開発し量産を始めた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.