ルネサス エレクトロニクスは2019年2月8日、2018年12月期決算を発表した。2018年12月期通期業績(Non-GAAPベース)は、売上高7574億円(前年比3.1%減)、営業利益1106億円(同13.7%減)となり、減収減益となった。
ルネサス エレクトロニクスは2019年2月8日、2018年12月期決算を発表した。2018年12月期通期業績(Non-GAAPベース)は、売上高7574億円(前年比3.1%減)、営業利益1106億円(同13.7%減)となり、減収減益となった。
減収減益となった主な要因として同社は、「世界経済の不透明感の高まりを背景に、注力する自動車分野や産業分野などでの需要が軟化したこと」と「前年度における流通在庫の積み上がりの反動を受けたこと」を挙げた。
通期の売上高総利益率は44.7%(前年比2.1ポイント減)、営業利益率は14.6%(同1.8ポイント減)となった。
2018年12月期第4四半期3カ月間の業績は、売上高1877億円(前年同期比10.7%減)、営業利益212億円(同37.8%減)と大きく前年を下回った。市況の軟調影響に加え、「適正な在庫水準を目指した生産数量の抑制を進めたこと」(同社)を減収要因に挙げ、実需以上に売り上げが減少したとする。なお、在庫調整の状況については、自社在庫については「2018年12月には健全な水準に戻った」(社長兼CEO 呉文精氏)としつつ、販売チャネル在庫については「自動車向けは2019年3月末には適正水準になる。自動車以外向けは、中国の景気減速次第だが、上半期末まで調整に時間を要するかもしれない」(執行役員常務兼最高財務責任者 柴田英利氏)と述べた。
2019年12月期第1四半期の業績見込みは、半導体売上高で1460億〜1540億円を見込み、売上高総利益率は39%(中間値)、営業利益率は4.5%(同)を見込む(なお、同社は2019年12月期から米国会計基準を採用。従来の日本会計基準換算では、売上高1497億〜1577億円、売上高総利益率40%、営業利益率5.5%の見込み)。中国をはじめとした景気減速の影響、さらに販売チャネルでの在庫調整により、前年に比べ、大きく業績が落ち込む見込みになっている。
用途別売上高見込みでは、「自動車向けが前年比10%台半ばの減少、自動車以外向けは自動車向けよりも大きな減少になる見込み。特に中国の景気減速に起因して、産業向けで様子見感が強く表れ、工場向けは30%近い減収を見込んでいる」(柴田氏)とした。
呉氏は「注力する自動車、産業向けは中長期的に成長する市場だが、足元は中国市場で(需要が)急に落ちている。そのため、短期的には売上高が下がることに対応することが経営課題」とする。
「2019年12月期第2四半期は、第1四半期よりも大きな売り上げの伸びが期待される」(柴田氏)と第2四半期以降の売り上げ反転を期待するものの、呉氏は「売り上げが伸びることを前提にせず、厳しい状況が上半期よりも長引いても大丈夫なように構造改革を進めていく。足元の市況が緩くなっているので、これを機会に強じんな経営体質に身に付けていく」と語り、人員削減を含めて、固定費の削減を実施していく。固定費削減については「グローバルで需要は下がっているので、ある程度の固定費削減をグローバルで実施していく」との考えを示す。人員削減についても「国内に関しては日本の法に従って労働組合と希望退職についての交渉を進めている」と述べた。
2018年9月に発表したIDTの買収については、「米国政府機関の閉鎖により、(米国の買収承認が遅れ、買収完了が)当初想定よりも遅れている。できれば、第1四半期中に、遅くとも上半期中には買収は完了する」との見通しを示した。
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