Infineon Technologies(日本法人:インフィニオン テクノロジーズ ジャパン)は2019年1月16日、展示会「第11回オートモーティブワールド」会場で、車載マイコン事業に関する記者説明会を開催し、日本での車載マイコン(MCU)販売の展開を本格化させ、日本国内における車載半導体シェアを高めるとの方針を打ち出した。
Infineon Technologies(日本法人:インフィニオン テクノロジーズ ジャパン)は2019年1月16日、展示会「第11回オートモーティブワールド」会場で、車載マイコン事業に関する記者説明会を開催し、日本での車載マイコン(MCU)販売の展開を本格化させ、日本国内における車載半導体シェアを高めるとの方針を打ち出した。
Infineonの車載半導体事業売上高は2018会計年度(2017年10月〜2018年9月)実績で約31億9200万ユーロで、全社売上高の42%を占める。世界車載半導体市場におけるシェアは、NXP Semiconductorsに次ぐ2位グループに位置する。特に、車載半導体のうち、車載パワーデバイスでは、「2位以下を大きく引き離す、シェア26%で圧倒的な首位」(日本法人バイスプレジデント兼オートモーティブ車載事業本部長 神戸肇氏)という。需要が大きく拡大する車載向けセンサーについても、「世界シェア2位で、外販を行うメーカーとしては首位」(同)だとする。
今後、Infineonが世界車載半導体市場でシェア首位を狙う上では、強さを発揮している車載パワーデバイス、車載センサーでのシェア向上とともに、車載半導体市場でシェアを獲得できていない“弱い領域”を強くしていく必要がある。その“弱い領域”とは、「車載マイコン」そして「日本」だ。
現状、Infineonの車載マイコン領域における世界シェアは「8.5%で第4位」(同)という。しかも、1位のルネサス エレクトロニクス、2位のNXP Semiconductorsはそれぞれシェア25%以上を有しており、トップグループとの差は小さくない状況だ。
また地域別での車載半導体シェアについても「各地で、シェアトップ3に入っているが、日本だけシェア4位で、上位3社に入っていない」(同)とし、マイコン市場、そして日本市場でのシェア拡大が、Infineonの車載半導体事業における課題の一つになっていて、強化を進めている。
2018年末には、主力マイコン製品群である「AURIX」で、40nm混載フラッシュメモリプロセスを採用した「第2世代AURIX」の量産を開始した。Infineonオートモーティブ事業本部でマイクロコントローラー担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーを勤めるPeter Schaefer氏は「第1世代AURIXは、独自CPUコアである『TriCore』を複数個搭載するマルチコアマイコンとして2014年から展開してきた。第1世代AURIXでは、エンジン制御やパワートレイン制御、ボディ制御など自動車の基本的なECU(電子制御ユニット)に向けた製品をラインアップし、着実にシェアを獲得してきた。特に、ローエンドからハイエンドまでをカバーするスケーラビリティであったり、ASILーDをサポートするなどセーフティ/セキュアなマイコンとして評価されてきた。第2世代AURIXもスケーラビリティ、セーフティ/セキュアといった特長を備えながら、より性能を高め、レーダーのシグナルプロセッシングやゲートウェイコントローラー、ドメインコントローラーといった新たな用途もカバーする」と語る。
第2世代AURIXは、最大動作周波数300MHzのCPUコアを最大6個まで搭載。最大周波数160MHzで最大3CPUコア構成だった第1世代から大幅な性能向上を図っている。一方で、「第2世代AURIXでもローエンド領域もカバーし、豊富なライアップを備える」(Schaefer氏)とし、よりカバー領域が広がった第2世代AURIXでシェアアップを図る狙いだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.