今回は、Western Digital(WD)の四半期決算(2019会計年度第2四半期)について、まとめる。
ハードディスク装置(HDD)の大手ベンダーである米Western Digital(以降はWDと表記)と米Seagate Technology(以降はSeagateと表記)が、四半期の業績を相次いで公表した。発表日(現地時間)はWDが1月24日、Seagateが2月4日である。そこで今回と次回は、WDとSeagateの四半期業績をご説明する。
WDの会計期間は7月から始まり、6月を決算月とする。1月24日に同社が発表したのは2018年10月〜12月の四半期業績で、会計年度では「2019会計年度第2四半期」となる。
2019会計年度第2四半期(2018年10月〜12月期)の売上高は前年同期比21%減、前四半期比16%減の42億3300万米ドルである。前年比と前期比のいずれもが2桁減となった。同期の営業利益は前年同期比59%減、前四半期比46%減の5億8900万米ドル(Non-GAAPベース)とさらに厳しく、大幅減となっている。粗利益率は31.3%で、前四半期(2019会計年度第1四半期)の38.0%から大きく低下した。営業利益率は13.9%である。これも前四半期の21.7%から大きく下がった。
概況としてはクラウド向けストレージ需要の減退と、フラッシュメモリ応用製品における価格低下が、売上の減少と利益の低下に大きく影響した。業績は芳しくないものの、製品開発は積極的に進める。HDD製品では、記憶容量が14TBのヘリウムドライブの生産を増やすとともに、新製品として記憶容量が15TBのヘリウムドライブを市場に投入した。NANDフラッシュメモリでは、積層数が96層の3D NANDフラッシュへの移行を進める。ビット数換算の生産量では2019年第4四半期には、現在の主流である64層品を96層品が超えるようになる見込みだ。
またストレージ需要の伸びは長期的に続くとする。エンタープライズ向けストレージの総需要(記憶容量換算)は年率換算で約40%の伸びを、NANDフラッシュメモリの総ビット需要は年率換算で36%〜38%の伸長を予測する。
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