部門別の売上高を見ていこう。WDは売り上げを3つの部門に分けて公表している。その3つとは、「データセンター用デバイス・ソリューション(Data Center Devices and Solutions)」部門、「クライアント用ソリューション(Client Solutions)」部門、「クライアント用デバイス(Client Devices)」部門、である。
データセンター用デバイス・ソリューション部門には、エンタープライズ用HDD、エンタープライズ用SSD、データセンター用ソフトウェア、データセンター用ソリューションなどが含まれる。売上高は前年同期比25%減の10億7400万米ドルである。クラウド向け需要が一時的に落ち込んだ。2019年の下半期にはエンタープライズ向けSSDの販売が立ち上がるとともに、ニアラインHDDの需要が回復するとみる。
クライアント用ソリューション部門には、映像業務用HDD、映像業務用SSD、バックアップ用HDD、USBメモリ、SDカードなどが含まれる。売上高は前年同期比25%減の9億4500万米ドルである。
クライアント用デバイス部門には、ノートPC用HDD、デスクトップPC用HDD、コンシューマーエレクトロニクス用HDD、クライアント用SSD、組み込み用製品などが含まれる。売上高は前年同期比16%減の22億1400万米ドルである。クライアント用SSDの売り上げは伸びたものの、モバイル向け製品と組み込み用製品の需要が弱かった。
WDはHDD製品とフラッシュメモリ応用製品の売上高と粗利益率を公表している。2019会計年度第2四半期(2018年10月〜12月期)におけるHDD製品の売上高は20億6000万米ドル、フラッシュメモリ応用製品の売上高は21億7300万米ドルである。HDD製品の売上高は前年同期比24%減、前四半期比17%減であり、フラッシュメモリ応用製品の売上高は前年同期比18%減、前四半期比14%減といずれも振るわない。
売上高の減少によって粗利益率も低下した。粗利益率はHDD製品が27%、フラッシュメモリ応用製品が32%である。それぞれ前の四半期に比べ、5ポイント減と9ポイント減となった。
(次回に続く)
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