Agilexは、機械学習/深層学習のアクセラレーターとしても適しているとDorsey氏は説明する。「機械学習/深層学習において、開発者たちが最も注目しているものの一つが、ニューラルネットワーク用の新しい数値形式BFLOAT16だ。Agilexは、このBFLOAT16とFP16をサポートする初のFPGAである」(同氏)
「AI(人工知能)に向けたIntelの戦略は、当社が提供するプロセッサとアクセラレーターを効率よく接続することである。Intelのエッジデバイス向け深層学習ツールキットである『OpenVINO』を使うことで、IntelのプロセッサやFPGAを使ったAIアプリケーションを、より簡単に開発できるようになる」(Dorsey氏)
Agilexの開発ツールとしては、ハードウェア開発者向けには「Quartus Prime」を、ソフトウェア開発者向けには「One API」を提供する。
Aiglexのファミリーは3種類。最も汎用性のある「Fシリーズ」、接続性を重視した「Iシリーズ」、演算負荷が高いアプリケーション向けにDDR5やOptane DCを搭載した「Mシリーズ」がある。Dorsey氏によれば、エンジニアリングサンプルの提供は2019年第3四半期に、量産は現在から約1年後(2020年4月ごろ)の開始を予定している。
なお、Intel FPGAには「Cyclone」「Arria」「Stratix」など複数のブランドがあるが、Dorsey氏によれば、Agilexの立ち位置は、特定のブランドの後継ではなく、全てのFPGAブランドにまたがる後継ブランドとなる。同氏は「今回発表したAgilexのファミリーはハイエンドに位置付けているので、イメージとしてはStratixの後継ブランドとなる」と説明する。今後は、ミッドレンジのArriaやローエンドのCycloneをカバーする仕様のAgilexファミリーが登場すると同氏は述べた。
AIはFPGAのスイートスポット、Xilinxがエッジ推論をデモ
“お蔵入りチップ”が掘り出し物に? Intel FPGAが示す過去の半導体の価値
Intel、最上位FPGA「Stratix 10」の搭載カードを発表
大規模データセンターをめぐる競争が激化
データセンターを支える光伝送技術 〜ハイパースケールデータセンター編
XilinxがDaimlerと協業、「自動運転の主役はFPGA」Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
記事ランキング