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Intelの新FPGA「Agilex」、高い柔軟性を実現CXLやBFLOAT16もサポート(2/3 ページ)

» 2019年04月03日 02時00分 公開
[村尾麻悠子EE Times Japan]

多くの機能を1チップにする「Any-to-Anyインテグレーション」

 Dorsey氏は、「Any-to-Anyインテグレーションとは、10nmプロセスを適用したシングルFPGAダイに、さまざまな機能を汎用インタフェースで接続し、1パッケージに統合すること」だと説明する。具体的には、データコンバーター、オプティカル回路、ネットワーク回路、カスタムI/Oなどのカスタムロジックを、アプリケーションに合わせて柔軟にFPGAの周辺に構成できる。パッケージング技術には、Intelが開発した2.nD(2.n次元)のパッケージング技術「EMIB(Embedded Multi-die Interconnect Bridge)」を採用している。

「Any-to-Anyインテグレーション」の概念。FPGAと、さまざまな機能を実現したカスタムロジックをEMIBで接続し、1パッケージに統合している 出典:Intel(クリックで拡大)

 「Any-to-Anyは、どんなプロセス技術(Any process technology)でも、どんな機能(Any function)でも、アプリケーションに合わせていつでも(Anytime)柔軟に統合できることを意味している」(Dorsey氏)

 加えて、Agilexに搭載したカスタムロジックを取り出し、ストラクチャードASICの開発に利用することも可能だ。Intelは、2018年7月に、ストラクチャードASICベンダーである米eASICを買収したが、これによって、FPGAからストラクチャードASIC、スタンダードセルASICまでを、より低コストで開発できるようになると、Dorsey氏は述べる。

FPGAからストラクチャードASIC、フルカスタムのASICを、より低コストに、より短期間で開発できるようになるとする 出典:Intel(クリックで拡大)

 Agilexは、「Intel Xeon」プロセッサに対応する、「初のメモリコヒーレント・アクセラレーター」(Dorsey氏)でもある。XeonとAgilex間は、PCIe Gen5上で動作するCXLで接続できる(関連記事:「ハード開発をよりオープンに、団体設立が相次ぐ」)。これによって、低レイテンシ、メモリコヒーレンス、メモリ空間の増加が可能になるという。

「Intel Xeon」とAgilex間は、CXLで接続できる。プロセッサとアクセラレーター(この場合はAgilex)間でデータを共有できるメモリコヒーレンスにより、データを転送する必要がなくなるので、より高速なシステムを開発できる 出典:Intel(クリックで拡大)

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