台湾では、新興企業エコシステムの構築が加速している。その中心人物が、台湾 科学技術省のLiang-Gee Chen氏だ。EE Timesは同氏にインタビューする機会を得た。
もし、新興企業の設立をサポートする機会があれば、どの国の高級官僚たちも、そのチャンスに飛び付くだろう。若い世代に希望と夢を提供しながら経済成長を促していくことに加え、新興企業を推進することは、政治家にとって、優れた広報活動の一つだといえる。その一例として挙げられるのが、Emmanuel Macron氏だ。同氏は財務大臣だった当時、企業家プログラム「La French Tech」を推進し、「新興企業プレジデント」としての称賛を得ることになった。
台湾の科学技術省(MOST:Ministry of Science and Technology)のLiang-Gee Chen氏は、2020年の台湾総統選挙には出馬しない予定だという。しかし、同氏は長年にわたり、台湾の新興企業の発展を加速すべく、精力的かつ熱心に系統的アプローチに基づいたプロジェクトに取り組んできた。
Chen氏は、新興企業にエネルギーを注いできた世界各国の指導者たちの中でも、珍しいタイプの人物だといえる。EE Timesを愛読して成長した同氏は、半導体回路技術に関する国際学会「ISSCC」において7年間連続で先駆的な論文を発表した他、台湾の一流大学National Taiwan Universityで、電気工学部教授として教壇に立ってきた。
Chen氏は、AI(人工知能)や5G(第5世代移動通信)、量子コンピューティングなどについて語る時に、メディアの注目を集めるために話題の言葉を使うようなことはしない。同氏は、基本的な技術について理解し、台湾の才能あるエンジニアたちが必要としているものや、大学で何を教えるべきなのか、また、まだ駆け出しの新興企業が最終的に世界レベルに到達できるようにするために必要な資金援助構造などについて、正確に説明することができる。
Chen氏は、EE Timesの独占インタビューの中で、台湾のハイテク業界の過去、現在、未来に関するさまざまな話題について語った。
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