パナソニック ライフソリューションズ社は、天窓を人工的に再現する空間演出システム「天窓照明」を開発した。
パナソニック ライフソリューションズ社は2019年7月、天窓を人工的に再現する空間演出システム「天窓照明」を開発したと発表した。外光が入らない空間に、雲の動きなどを映像表示することで、明るさに加え開放感やリラックス感を提供する。
開発した天窓照明システムは大きく分けて、天井裏に埋め込む本体と、バックヤードに設置するメディアプレーヤーなどの映像再生機からなる。本体は、LEDディスプレイやアクリル製の拡散版などを内蔵している。形状は発光部の開口サイズが640×640mmで、器具の外形は766×766mm。埋め込む深さは約350mmである。
施工は大型の埋め込み型照明器具とほぼ同様に行え、特殊な天井構造やつりさげるための工法は必要ないという。また、この本体は1台で使用する他、複数台を設置して映像を連動させることも可能である。映像再生機に保存されたコンテンツをSDI信号に変換し、複数の本体に分配する仕組みだ。オプションのスポットライト型プロジェクターやスピーカー付きダウンライトなどを追加すれば、映像と音楽で空間を演出することも可能である。
天窓照明を用いた空間演出の映像例として、「青空」や「夕焼け雲」「おぼろ月」など、時間帯で変化する映像演出や、複数の本体を組み合わせて表現する「大きな空」や「水中の様子」を挙げた。「水面」や「竹林」など、別売のコンテンツも用意している。
パナソニックは、開発した天窓照明のプロトタイプ(開口部800×800mm)を用いて、京都府立大学と心理的価値に関する共同研究を行った。この結果、窓の無い場所でも、開放的な空間の提供や、活気とリラックス感を兼ね備えた環境を提供できることが分かった。パナソニックは、事務所や病院、地下街、などでの利用を想定している。
開発した天窓照明は、首都圏と関西地区を中心に、期間を向こう1年間、数量を50システムに限定し、受注を始める。受注活動と工事はパナソニックLSエンジニアリングが担当する。導入先でのユーザー調査や心理的価値の検証を行い、得られたデータを実用的な製品開発に反映させる。
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