今回は、「メディカル・ライフサイエンス(医療・生命科学)」から前半部分の概要を報告する。同分野でのエレクトロニクス技術に対するニーズや、エレクトロニクス技術が貢献できそうな事柄には、どんなものがあるのだろうか。
電子情報技術産業協会(JEITA)が発行した「2019年度版 実装技術ロードマップ」に関する完成報告会(2019年6月4日に東京で開催)と同ロードマップの概要をシリーズでご報告している。今回はその第6回である。前回はロードマップ第2章の「注目される市場と電子機器群」から、最初の大テーマである「情報通信」の後半部分をご紹介した。今回は2番目の大テーマである「メディカル・ライフサイエンス(医療・生命科学)」から、前半部分の概要をご報告する。
「メディカル・ライフサイエンス(医療・生命科学)」という、一見するとエレクトロニクス(電子)産業と関係がなさそうに見える分野を大テーマに選んだのは、将来をにらんでのことだ。医療・生命科学は日本を含めた人類社会の将来を大きく左右する重要な分野である。しかし現在のところ、特に生命科学領域では、エレクトロニクス技術が大きく貢献しているとは言い難い。
そこで2019年度版のロードマップでは、ライフサイエンス(生命科学)領域の全体像を説明するとともに、エレクトロニクス技術に対するニーズと、ライフサイエンスに対してエレクトロニクス技術が貢献できそうな事柄を調査・分析した結果を掲載した。
ただし、本シリーズでロードマップの全貌を紹介することは難しい。今回は現在の状況である「2.3.1 エレクトロニクス業界から見たメディカル・ライフサイエンス領域」の概要を解説し、次回は将来に期待がかかるとともに2017年度版ロードマップの読者アンケートで関心の高かった「2.3.4 バイオセンサー」の概要を説明する。
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