今回は、Western Digital(WD)とSeagate Technologyの2019年会計年度(2019年6月期)業績を取り上げる。両社ともに減収減益で、特にWDは営業利益が大幅に減少する結果となった。
ハードディスク装置(HDD)の大手ベンダーである米Western Digital(以降はWDと表記)と米Seagate Technology(以降はSeagateと表記)の2019会計年度(2019年6月期)業績が出そろった。売上高はWDが前年比20%減の165億6900万米ドル、Seagateが同7%減の103億9000万米ドルである。営業利益(GAAPベース)はWDが前年比98%減の8700万米ドル、Seagateが同9%減の14億8700万米ドルとなった。両社ともに減収減益である。特にWDは営業利益が大幅に減少し、収支トントンに近い状態にまで損益が落ち込んだ。
過去3年の通年業績を見ていくと、WDはフラッシュメモリ応用品メーカーのSanDiskを2016年5月に買収したことによって2017会計年度(2017年6月期)の売上高が大幅に増えた。しかし2018年にフラッシュメモリの需給バランスが緩んで価格が低下したことにより、2019会計年度(2019年6月期)は売上高を前年に比べて2割も減らすことになった。フラッシュメモリの値下がりはWDの利益率を急速に押し下げた。
Seagateの売上高はここ数年、ジリ貧の状態が続いている。世界的にHDDの需要が台数、金額ともに縮小傾向にあることが影響した。SeagateはSSD製品を商品化しているものの、売上高に占めるSSDの割合は5%未満とまだまだ少ない。売上高のほとんどはHDDである。ただし、売上高は減少傾向にあるものの、営業利益はそれほど悪くない。2018会計年度(2018年6月期)と2019会計年度はともに、15億米ドル前後の営業利益を計上している。
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