東芝メモリは、2019年10月1日付で社名を「キオクシア」に変更するのを前に、9月30日、東京都内で報道関係者向けの説明会を実施。新たなロゴやコーポレートカラーなどを発表した。
東芝メモリは、2019年10月1日付で社名を「キオクシア」に変更するのを前に、9月30日、東京都内で報道関係者向けの説明会を実施。新たなロゴやコーポレートカラーなどを発表した。
新社名キオクシアは、日本語の「記憶(kioku)」と、ギリシャ語で「価値」を表す「アクシア(axia)」に由来する。2018年9月に新社名公募を実施し、集まった約1500件の案の中から選んだという。同社は、「新社名のもと、フラッシュメモリ/SSD事業におけるリーディング企業として、今と未来をつなぐ新しい価値を創造し世界を変えていく存在を目指していく」としている。
同社は、「記憶で世界を面白くする」という新たなビジョン/ミッションを掲げ、「記憶」の技術をコアとして、一人一人の新たな未来を実現できる製品やサービス、ビジネスモデルを構築、提供していくとしており、同社の常務執行役員 営業統括責任者、佐野修久氏は、「ミッションとビジョンに則った非常に分かりいいネーミングになったと満足している」と語った。
新コーポレートカラーはシルバーで、佐野氏は、「先進性、高度でとがった技術力、高い品質、未来への可能性、会社の信頼性を表現した」と説明。また、コミュニケーションカラーとして、ライトブルー、マゼンタ、ライトグリーン、オレンジ、イエロー、ライトグレーを紹介。「ワクワクして高揚していることを表現できる鮮明な6色と自負している」と語った。これらのカラーは今後、製品、広告に展開する方針だ。パーソナル製品のブランド切り替えについては、2020年を予定しているという。
佐野氏は同社の「ホットトピックス」として、2019年8月に発表した高速フラッシュメモリ「XL-FLASH」や新しいリムーバブルPCIe/NVMeメモリデバイス「XFMEXPRESS」といった製品を紹介したほか、2018年7月に着工した岩手県北上市の第1製造棟の状況にも言及し、「予定通り2019年10月10日に竣工する。この工場はAIを使った製造プロセスを導入しているほか、新規の省エネ対応システムを導入した。この工場と、四日市の工場を合わせ生産キャパ増強を行い、キオクシアとしてお客様にコミットしていく」と話した。また、横浜エリアの技術事務所を2019年10月1日から「横浜テクノロジーキャンパス」とリニューアルし、「名実ともに研究開発の拠点という位置付けでスタートする」と明かした。
さらに、新たなスタートにあたって、「今後、キオクシアを広く理解し覚えていただくための新しいキャンペーン」(佐野氏)である、「#世界新記憶キャンペーン」を実施するとも明かした。その第1弾として、同社のフラッシュメモリとAI技術を用いて、手塚治虫氏の『新作漫画』を創り出すというプロジェクトを発表した。
プロジェクトメンバーには、同社のプロジェクトチームのほか、手塚プロダクション取締役の手塚眞氏、公立はこだて未来大学副理事長の松原仁氏、同大システム情報科学部教授の迎山和司氏、慶應義塾大学理工学部教授/電気通信大学人工知能先端研究センター特任教授の栗原聡氏が参加。2020年2月の新作公開を目指すという。
東芝メモリは、2017年4月に東芝のメモリ事業を継承して発足した後、2018年6月に東芝グループから独立。2019年3月には、東芝メモリを完全子会社に持つ東芝メモリホールディングスを発足させている。なお現在の東芝メモリホールディングスの株主構成(議決権ベース)は、BCPE Pangea Caymanが49.9%、東芝が40.2%、HOYAが9.9%。10月1日付で東芝メモリの子会社もそれぞれ、社名を変更する。
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