Xilinx(ザイリンクス)は、次世代の放送用機器と業務用AV機器の用途に向けた同社のソリューションなどに関し、東京都内で記者説明会を行った。
Xilinx(ザイリンクス)は2019年11月12日、次世代の放送用機器と業務用AV機器の用途に向けた同社のソリューションなどに関し、東京都内で記者説明会を行った。この中で同社は、「低遅延の8Kライブ映像」や、「機械学習を活用した運用効率の向上」などを強調した。
「東京2020オリンピック・パラリンピック」開催に向けた4K/8K放送や、イマーシブ(没入型)イベントでのライブ中継などが本格化する中、放送/業務用AV機器業界は、高い画質や音質を維持しつつ、カメラで撮影した映像を視聴者に低遅延で配信することが求められている。
例えば、解像度(画角)はフルHDから4K/8Kへと進化する。これに合わせてフレームレートも毎秒60コマから120コマへと高める議論も始まったという。ダイナミックレンジはHDRが一般的になれば、コントラストも高まり画質はさらに向上するという。ディスプレイ装置では、色空間の拡大へと向かう。併せて、高画質を維持しつつ低遅延で映像を配信するには、高速伝送技術や画質劣化を抑える圧縮技術も必要となる。これ以外にも、編集/映像制作作業の効率化など、次世代の機器やシステム開発では、課題が山積している。
こうした中でザイリンクスは、最新の半導体技術を駆使し、課題を解決するためのソリューションを提供する。例えば、「Kintex」や「Virtex」など最新FPGAを始め、アクセラレーターカード「Alveo」や、“全く新しい製品カテゴリー”と同社が位置付ける「ACAP(Adaptive Compute Acceleration Platform)」などである。
特に、ACAPの第一弾となる「Versa AIコアシリーズ」は、Armアーキテクチャのアプリケーションプロセッサとリアルタイムプロセッサおよび、プログラマブルロジック、DSPエンジンなどに加え、最大400のAIエンジンを搭載することで、高いAI推論処理能力を実現した製品である。
これらの製品を軸に、撮影用機材から編集/蓄積/配信に関連するシステム、受信端末向けに至るまで、全てのワークフローで同社の製品が活用されているという。Xilinxで業務用AVおよびブロードキャストビジネスセグメントのディレクタを務めるRamesh Iyer氏は、一例として「ライブTV」や「デジタルシネマ」「イマーシブイベント」における処理フローを挙げ、各フローにおける同社製品の活用例などを示した。ここでも、「低遅延と高画質を実現することで、コンテンツをよりリアルに見せること」が重要であることを強調した。
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