もう1つ、Iyer氏が強調したのは、放送機器における機械学習の活用である。例えば、「コンテンツ/コンテキストを考慮したエンコード」や「得点や転倒シーンなどへのタグ付け」「ハイライト動画の自動生成」などである。「音声の文字起こし」など自然言語処理なども可能だという。
これらの具体的な事例も示した。機械学習により、映像の中で顔や手足など重要な部分に多くのビット数を適用し、背景など比較的重要ではない(品質低下しない)部分は少ないビット数にすることで、全体的なビットレートを削減することができるという。
単一カメラで撮影した画面に複数人物が映っていた場合、顔認識技術を用いて個別に切り出し、別画面で大きく表示させることも可能である。さらに、選手別にタグ付けしておけば、ハプニングが起きたり、ゴールしたりした時に、その選手のハイライト映像を簡単に作ることができるという。説明会会場でも4つのビデオストリームを入力し、1つのICチップで同時に画像認識処理を行って、その結果をリアルタイムで表示するデモを行った。
Iyer氏は、「機械学習を活用すれば、ハイライト映像を自動制作できる。運用効率の向上にもつながり、新たな運用益を生み出すことが可能になる」と話す。既に同社の製品群は、日本の業務用AV機器や放送機器メーカーの主な機器に採用実績があることも紹介した。
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