ディープインサイトは、IoT端末側で学習と推論の両方に対応可能な、組み込み型エッジAI「KAIBER engram(カイバー エングラム)」のライセンス供給を始めた。
ディープインサイトは2019年11月、IoT(モノのインターネット)端末側で学習と推論の両方に対応可能な、組み込み型エッジAI「KAIBER engram(カイバー エングラム)」のライセンス供給を始めた。第1弾としてAdvantech(アドバンテック)日本法人と協業し、IoTプラットフォーム「WISE-PaaS」対応のエッジコンピューティング製品に、KAIBER engramを搭載し、エッジAI解析ソリューションとして提供する。
深層学習(Deep Learning)などAI(人工知能)を活用した分析や予測を行うためには、現場で収集した大量のデータを取り扱うことが必要となる。組み込み用プロセッサの性能向上により、事前に学習した結果に基づく推論を、エッジ側で実行するケースも増えている。しかし、端末側で収集した膨大なデータを用いて学習を行うには、高い演算能力を備えたクラウド側のサーバで処理するしか方法がなかった。
新たに供給を開始するKAIBER engramは、深層学習もIoT端末側で行えるようにした組み込み型エッジAIである。これにより、現場で収集したデータをクラウド上に送り再学習しなくても、端末内でリアルタイムに自律学習することができる。この結果、端末とクラウド間での通信費用を削減したり、データ漏えいなどをなくすことで高いセキュリティを確保したりすることが可能になるとみている。
KAIBER engramは、ディープインサイトが全てのコードを自社開発しており、IoTゲートウェイや産業機器にも容易に移植することが可能である。しかもGPUを搭載していないIoT機器などでも、センサーデータなどをリルタイムに学習することができるという。ライセンス料金は20万円から。
今回は、産業用PCの大手ベンダーであるAdvantechの日本法人との協業を発表。IoTデータのエッジAI解析ソリューションを提供することにした。ディープインサイトは引き続き、IoTゲートウェイやPLC、産業機械などを手掛ける関連企業20社と協議を進め、2020年末までにこれらの企業とライセンス契約を結ぶ計画である。
なお、三菱UFJキャピタルから1億円の資金を調達したことも同時に発表した。調達した資金は、エッジAIの開発体制強化に充てる予定だ。
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