「SEMICON Japan 2019」(2019年12月11〜13日、東京ビッグサイト)では今回、初の試みとして、地震や台風といった自然災害などのリスクに対応する「半導体・エレクトロニクス産業のためのBCP(持続継続計画)」エリアを設置。このエリアでは、THKや村田機械などの免振、耐震装置などが紹介されていた。
「SEMICON Japan 2019」(2019年12月11〜13日、東京ビッグサイト)では今回、初の試みとして地震や台風といった自然災害などのリスクに対応する「半導体・エレクトロニクス産業のためのBCP(持続継続計画)」エリアを設置。このエリアでは、THKや村田機械などの免振、耐震装置などが紹介されていた。
半導体工場は地震の影響を受けやすく、製造部材の調達に時間を要するなどの理由から稼働停止が長引くという課題を抱える。例えば、2011年3月11日に発生した東日本大震災では、ルネサス エレクトロニクスの那珂工場(茨城県ひたちなか市)が大きな揺れに見舞われ、建屋/クリーンルームが損壊。協力企業や顧客企業の支援などを得て懸命の復旧作業が行われたが、結局完全復旧までには半年程度かかることとなった。今回のエリアでも、当時の那珂工場の写真が展示されていた。ルネサスは、この那珂工場被災を契機に、「BPCを全面的に見直した」としており、実際に熊本地震の際に影響を受けた川尻工場の早期復旧につなげている(関連記事:ルネサス、5年前の教訓生かした震災対策「成果出た」)
THKによると、半導体工場への免振装置導入の動きは、東日本大震災をきっかけに拡大。主に、拡散炉に取り付けられているという。説明担当者は、「その重量から横倒しになるといったことはなくとも、炉内の石英チューブの破損などが発生すると聞いている。免振装置によってその機会損失を防ぐことができる」と話していた。
会場では、半導体工場で利用されている免振モジュール「TSG型」の実物が展示されていた。免振モジュールは製造装置下に設置するもので、複数のモジュールを自由に連結することができる。最小では1m角から、搭載物にあった形に調整が可能という。
また、THKは会場に「免振体験車」を使ったデモも用意。この車両には、地震の揺れが体験できる「起震車」に同社の免振装置(LMガイド)を搭載している。デモは、東日本大震災と同じ震度7までの1分間の揺れを体験した後、免振装置を有効にした状態でもう一度同じ震度の揺れを体験するといったもので、その免振性能を肌で感じることができるとしている。
このエリアでは、村田機械も同社の制振、免振技術の紹介を行っていた。同社は自動倉庫用に、顧客のニーズに合わせた形状、耐震グレードの倉庫を設計し、提供している。会場では制振ラックの模型を使ったデモや、ラックに取り付ける制振ダンパーなどの各種製品も展示していた。
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