NTTドコモ(以下、ドコモ)は2020年1月22日、2020年春に商用サービスを開始する5G(第5世代移動通信)をはじめ、AI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)などを活用した同社およびパートナー各社が手掛けるソリューションを展示するイベント「DOCOMO Open House 2020」の開催に先立ち、報道機関向けに公開した。
NTTドコモ(以下、ドコモ)は2020年1月22日、2020年春に商用サービスを開始する5G(第5世代移動通信)をはじめ、AI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)などを活用した同社およびパートナー各社が手掛けるソリューションを展示するイベント「DOCOMO Open House 2020」の開催に先立ち、報道機関向けに公開した。同イベントは2020年1月23〜24日にかけて東京ビッグサイト(青海展示棟)で開催中だ。
5Gの展示については1ホール丸ごと使い、「Vision」「Lifestyle」「Business」「Future&Technology」の4つをテーマに最新技術のデモを披露した。
5Gにつながる改札機のプロトタイプは、東芝インフラシステムズとの協業で開発したもの。QRコードを改札機で読み取り、その情報を5Gでクラウドに送信。ID番号を基にクラウド上で乗車券の処理を行う。現在は改札機の中で行っている処理を、クラウドで行うイメージだ。
このメリットは、クラウドに情報を上げることで、他社のサービスとの連携が今よりも広い範囲で可能になることである。例えば、ある場所に移動するために、A社の電車、B社の地下鉄、C社のバスを乗り継いで行くとする。現在は各社で料金が設定されており、乗り継ぐたびに交通費を支払っている。これがクラウドで処理できるようになれば、クラウド上でA〜C社の交通機関を連携し、パッケージとして料金を支払うことにするなど、新しい企画乗車券が提案できることになる。これを、交通機関以外のサービス業と組み合わせれば、ポイントシステムとの連携や、QR決済との連携などを図ることも容易だ。
「交通機関ごとに1回1回完結させず、全ての移動や買い物、観光などを含めることで新しいMaaS(Mobility as a Service)の提案につながるのではないか」(ドコモ)
ただ、改札機をネットワークにつなげてクラウドで処理する場合、タッチしてから改札の扉が開くまでの時間が課題だったという。ドコモは「既存の改札機は、交通系ICカードの情報を200ミリ秒で処理している。そのため、5Gにつなげて処理する場合もそれと同等あるいはそれ以下の時間で行うことが絶対条件だった」と説明する。今回展示したプロトタイプで評価を行ったところ、平均処理時間が200ミリ秒を切ることも多くなってきたと、ドコモは述べる。
「処理速度の課題は解決できたので、今後は鉄道会社なども巻き込んで、この5Gに接続できる改札機を提案していきたい」(ドコモ)
今後はQRコードだけでなく、顔認証を使う場合についても開発していく予定だ。
電気刺激による手指動作技術などを手掛けるH2Lは、同社の「BodySharing技術」と5Gを組み合わせ、リアルタイムにドライバーの筋肉の動きをモニタリングするデモを行った。
BodySharingは、筋変位センサーで読み取った筋肉の動きの情報をインターネットで送ることで、自分の手や腕の動きを他の人やロボット、VR/ARのキャラクターに伝える技術。会場では、H2Lの光学式筋変位センサーを搭載したウェアラブル機器を腕に装着してドライビングゲームをするデモを展示。ハンドルを持つ腕の動きに応じて、筋変位センサーの波形も変動する様子を実際に見ることができた。例えばカーブが続いてハンドル操作が不安定になると、波形も細かく変動し安定しなくなる。そのため、遠隔で波形を確認できれば、危険な運転につながるのではないかと予測できる可能性もある。
さらに、BodySharingには、手や指に軽い電気刺激を与えるフィードバック技術があるので、危険な運転だと判断した場合、電気刺激を与えてアラートを出したり、運転のサポートをしたりといったことができるという。
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