立山科学工業は、「オートモーティブ ワールド2020」(2020年1月15〜17日、東京ビッグサイト)で、独自の全方位レンズを用いることで可動部なしで360度スキャンを実現した、Flash LiDARシステムを参考展示した。
立山科学工業は、「オートモーティブ ワールド2020」(2020年1月15〜17日、東京ビッグサイト)で、独自の全方位レンズを用いることで可動部なしで360度スキャンを実現した、Flash LiDARシステムを参考展示した。
同社は、独自のレンズ加工によって360度均一な画像を取り込める全方位レンズ「PALNON(パルノン)」シリーズを有しており、これまでセキュリティカメラ用途などで展開してきたが、「近年のAI(人工知能)やセンシング技術の進化によって、大きく用途が拡大できる」(同社説明担当者)と見込み、今回、Flash LiDAR用として新たなPALNONレンズを開発。同じく自社で開発するFlash LiDARユニットと合わせ、FA(ファクトリーオートメーション)や車載などへの市場を狙って提供していく予定という。
PALNONレンズは高さ方向にひずみがない独自構造のため、方位と高さ方向の認識/計算が容易なうえ、スキャニング機構のような可動部も必要ないことから従来の全方位Flash LiDARと比べ信頼性向上や小型軽量化も可能となっている。また、こうした構造上の特性から「導入コストも大きく抑えられる」としている。
現在はレンズの外側に4つのレーザーを設する形をとっており、スキャンできる距離は20m程度。まずは産業用ロボットでの活用などに向けて展開する考えで、2020年中に提供開始する予定だ。将来的には、レンズの内側からリング状にした1つのレーザーを照射するシステムにすることを想定。実現すればスキャン距離は100mに延びるほか、より小型化もできるといい、その後は本格的に車載市場を開拓していく方針だ。
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