村田製作所、フィンランド子会社の新生産棟が完成:MEMSセンサーの生産体制強化
村田製作所が、フィンランドの子会社で建設を進めてきた新生産棟が完成した。自動車や産業機器、ヘルスケア機器などに向けたMEMSセンサーの需要増に対応するため、生産体制を強化した。
村田製作所は2020年1月、フィンランドの子会社で建設を進めてきた新生産棟が完成したと発表した。自動車や産業機器、ヘルスケア機器などに向けたMEMSセンサーの需要増に対応するため、生産体制を強化した。
新生産棟を建設したのは、開発・生産子会社である「Murata Electronics Oy」の敷地内。建屋は地上5階建て、延べ床面積は1万6000m2である。外部からの振動が伝わらない特殊な免震構造を採用するなど、より精密なテストを行うことができるという。投資額は建屋のみで50億円。
新生産棟が完成したMurata Electronics Oyの外観
村田製作所は、Murata Electronics Oyの前身であるVTI Technologiesを、2012年に買収した。フィンランドで最大規模のクリーンルーム設備を保有している。村田製作所にとって、海外における唯一のMEMSセンサー製造拠点でもある。
村田製作所の代表取締役専務執行役員でモジュール事業本部の本部長を務める中島規巨氏は、「自動運転の領域において、車体の挙動検知や周辺環境の把握といった分野で、当社のMEMS技術を生かすことができる。今回、MEMSセンサーの生産体制を強化したことで、安心・安全なモビリティ社会の進展や、ヘルスケア分野などの発展に貢献したい」とコメントした。
- 「調整局面は終わりを迎えつつある」村田会長
村田製作所は2019年11月29日、東京都内で事業戦略説明会「Information Meeting 2019」を実施した。同社会長兼社長の村田恒夫氏は、「貿易摩擦の景気減速、それに伴う自動車や電子機器の生産調整、電子部品の在庫調整が下押し要因だが、調整局面は終わりを迎えつつある」と、市場環境を巡る認識を示した。
- MLCC市場「全体的に回復が遅れている」村田製作所
村田製作所は2019年10月31日、東京都内で2020年3月期(2019年度)第2四半期の決算説明会を行った。同社の2019年度第2四半期累計(4月〜9月)売上高は前年同期比3.5%減の7609億円、営業利益は同12.9%減の1214億円、純利益は同16.2%減の907億円となった。中国を中心とした世界景気の減速による自動車やスマートフォンの生産台数減が影響した。同社の専務執行役員コンポーネント事業本部長、井上亨氏は、主力のMLCC(積層セラミックコンデンサー)について、「全体的に市場回復が遅れている。特に車載向けは想定以上に長引いており、回復までもう少し時間がかかる」と話していた。
- 電池事業を本格化する村田製作所、蓄電池工場を公開
村田製作所が、電池事業の展開を本格化させている。ソニーの法人向け電池事業を買収して約2年が経過した2019年8月28日、東北村田製作所の郡山事業所(福島県郡山市)を報道関係者に公開。技術融合による初製品である「家庭用蓄電システム」など、電池事業に関する最新の取り組みを説明した。
- 村田製作所、容量が大きい全固体電池を開発
村田製作所は、電池容量が最大25mAhと業界最高レベルの全固体電池を開発した。ウェアラブル機器やIoT(モノのインターネット)機器などの用途に向ける。
- 村田製作所、タイ子会社に2つの新生産棟が完成
村田製作所がタイの生産子会社「Murata Electronics(Thailand)」内に建設していた2つの新生産棟が完成した。EMIフィルターとアンテナコイルを増産する。
- 村田製作所、CypressおよびNXPと協業
村田製作所は、無線モジュールとプロセッサを組み合わせたソリューションを提供するため、Cypress SemiconductorおよびNXP Semiconductorsと協業する。
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