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シリコン・ラボがRedpineの無線事業を買収Wi-Fi 6の開発加速に向け

Silicon Labsは2020年3月12日(米国時間)、米国シリコンバレーに拠点を置くRedpine Signalsのコネクティビティ事業を買収することで合意したと発表した。

» 2020年03月18日 09時30分 公開
[Nitin DahadEE Times]

 Silicon Labsは2020年3月12日(米国時間)、米国シリコンバレーに拠点を置くRedpine Signalsのコネクティビティ事業を買収することで合意したと発表した。具体的には、Redpine Signalsが所有するWi-FiおよびBluetooth事業、インド・ハイデラバードにある約200人が所属する開発センター、広範な特許ポートフォリオを3億800万米ドル(現金)で取得する。

 この買収により、Silicon Labsは次の2つのことを目指す。まずはRedpine Signalsの既存品をセールスチャネルに投入し、IoT(モノのインターネット)関連の収益増加を目指す。Silicon Labsは2020会計年度に2000万米ドルの増収を見込んでいる他、IoT向けワイヤレス製品の売上高を2023年までに1億米ドルに増加することを計画している。2つ目は、インドの開発チームを中心に、Wi-Fi 6向けの製品開発を加速させることだ。

 今回の買収には、ウェアラブル、ヒアラブル、ボイスアシスタント、スマートスピーカーを含めたオーディオアプリケーション向けの既存のBluetooth関連IP(Intellectual Property)が含まれる。Silicon LabsはEE Timesに対し、買収の一環として、Redpineのマイクロコントローラー(MCU)事業とリアルタイム位置情報サービス技術も獲得すると述べた。

Silicon LabsのCEOを務めるTyson Tuttle氏

 Silicon LabsのCEOであるTyson Tuttle氏は「Redpine Signalsの超低消費電力Wi-FiとBluetooth製品、広範なIPポートフォリオの獲得によって、当社はIoTワイヤレス技術におけるリーダーシップを拡大できる。これらの製品を当社のグローバルな販売・流通ネットワークに加えることで、Wi-Fi接続が可能なコネクテッドデバイスを早急に市場に投入したい顧客は、スマートホーム、インダストリアルIoT、向けの商業市場での勢いをさらに加速させられる」と述べた。

 Tuttle氏は、2020年3月12日にオンラインで開催したアナリストデーで、Silicon Labsが今回の買収を通じて展開したい領域としてWi-Fi 6を挙げる一方、増収を即座に促進するのはWi-Fi 4、Bluetooth、関連ソフトウェアといった主要製品になると述べた。

 Tuttle氏は「Wi-Fi 6では増収を見込んでいない。Wi-Fi 6が不可欠な要素になるのは数年かかるだろう。われわれが取り組んでいくのは、既存の販売チャネルを介して既存の製品を展開、促進することだ」と述べた。

 Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)は、何百個、何千個ものIoT機器がインターネットにつながる環境に必要となる低消費電力、性能、セキュリティ、インターオペラビリティといった要件を満たす重要な規格である。Redpine Signalsの技術を統合することで、Silicon LabsのWi-Fi 6関連の半導体、ソフトウェア、ソリューションのロードマップは加速するだろう。

 Tuttle氏は「ハイデラバードには、われわれが開発しようとしている技術と大いに関連する人材が数多くいる」と語った。

【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】

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