今回からMEMSセンサーを解説する。MEMSセンサーの市場規模と主なアプリケーションについて説明したい。
電子情報技術産業協会(JEITA)が発行した「2019年度版 実装技術ロードマップ」に関する完成報告会(2019年6月4日に東京で開催)と同ロードマップの概要をシリーズでご報告している。今回はその第46回である。
本シリーズの第31回から、第4章「電子部品」の概要を説明してきた。第4章「電子部品」は、「4.1 LCR部品」「4.2 EMC対策部品」「4.3 センサ」「4.4 コネクタ」「4.5 入出力デバイス」の5つの節に分かれる。前回からは、「4.3 センサ」の概要を紹介している。
前回はセンサーの種類と市場規模について述べた。今回からはセンサーの製造技術として一般的な、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems:微小電気機械システム)技術を使ったセンサー「MEMSセンサー」を解説していく。
MEMSとは、シリコンの半導体製造技術と独自の微細加工技術によって作製した微細な機械システムを指す。過去には「マイクロマシン」と呼称していた。MEMSには大別するとセンサーとアクチュエーターがあり、多種多様な用途に向けた製品が開発され、市販されている。
市場調査会社のYole Développementが2018年5月31日に発表したニュースリリースによると、MEMSの世界市場は2018年から2023年までに年率17%で成長する。2018年の約130億米ドルから2023年には約310億米ドルへと拡大する。また同社が2019年6月10日に発表したニュースリリースによると、2018年にMEMSメーカーの売上高トップはBroadcomで15.1億米ドル、2位はRobert Boschで14.05億米ドルだった。
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