ロームは、車載バッテリーの電圧が低下した場合でも、LEDランプを安全に点灯させることができる、リニアLEDドライバーIC「BD18336NUF-M」を開発した。
ロームは2020年3月31日、車載バッテリーの電圧が低下した場合でも、LEDランプを安全に点灯させることができる、リニアLEDドライバーIC「BD18336NUF-M」を開発したと発表した。小型形状のソケット型LEDランプに搭載することが可能である。
車載バッテリーは通常13V(逆流保護用ダイオードを考慮すれば12V)の電圧を供給しているが、さまざまな要因で出力が変動することがある。特に供給電圧が9Vまで低下した場合、LEDを用いた昼間点灯用ランプ(DRL)やポジションランプ、リアランプなどは消えるという。これまでは外付け回路を設けて、こうしたリスクを回避していた。
新製品は、減電時電流バイパス機能を搭載した。万が一、バッテリー電圧が13Vから9Vまで低下した場合には、LED電流経路を3灯用から2灯用に切り替える。これによって、輝度は最低でも通常時の30%を維持し、LEDの消灯を防ぐことができるという。
こうした機能を設定するには抵抗器3個を外付けするだけで済む。別途、回路を外付けしていた時に比べ、外付け部品点数は7点も削減可能である。これまで外付けしていたコンパレーターやトランジスタが不要となり、基板への実装面積も約30%削減できる。小型化を実現したため、付け替えが容易なソケット型LEDランプに向けた10mm角のLEDモジュール基板などにも実装することが可能となった。
さらに、出力電流ディレーティング機能を搭載した。LEDが高温になった時にLEDドライバーの出力を下げ、発熱量を抑制する機能である。サーミスター1個を外付けすれば、温度を検出しながら出力電流を適切に制御することができる。この機能を搭載したことで、高温になりやすい白色LEDの駆動にも利用することが可能となった。
BD18336NUF-Mは、入力電圧範囲が5.5〜20.0V、定格電圧42V、最大出力電流は400mA(DC)/600mA(Duty 50%)、動作温度範囲(Tj)は−40〜150℃、パッケージは外形寸法が3.0×3.0×1.0mmのVSON10FV3030で供給する。既にサンプル出荷中でサンプル価格(税別)は450円。2020年7月より月産40万個体制で量産を始める予定。
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