Intelは、2020年第1四半期の売上高が198億米ドルと好調だったと発表したが、同社の第2四半期の見通しは暗いという。あるアナリストは、「経営陣は、同社がこれまでに経験した中で最も厳しい時期を迎えることになると懸念を示している」と述べている。
Intelは、2020年第1四半期の売上高が198億米ドルと好調だったと発表したが、同社の第2四半期の見通しは暗いという。あるアナリストは、「経営陣は、同社がこれまでに経験した中で最も厳しい時期を迎えることになると懸念を示している」と述べている。
半導体業界ではボラティリティ(価格変動)は当然のことだが、Intelに関しては長い間例外だった。だが、同社は10nmプロセスの立ち上げに苦戦しており、さらに新型コロナウイルス(COVID-19)がエレクトロニクス業界にもたらした経済不安のあおりを受けて、2020年第2四半期に入ると生産能力が制限される見通しだという。市場分析会社のEnerTuitionによると、AMD(Advanced Micro Devices)は、プロセス技術で苦戦するIntelを尻目にシェアを伸ばしているという。
Intelの運命が突然反転した背後には何があるのだろうか。
COVID-19の流行によってデータセンターや民生製品、IoT(モノのインターネット)/モバイル開発で需要が急増したため、半導体業界は実質的に恩恵を受け、この状況は2020年第2四半期も続くと予想される。しかし、Intelの第2四半期のガイダンス(利益予想)はこの予想と矛盾したものになっている。売上高はコンセンサスを上回る見通しだが、1株当たりの利益(EPS:Earnings Per Share)はコンセンサスを下回る見通しだという。同社は、2020年第2四半期の売上総利益と2020年通年のガイダンスを下方修正した。
EnerTuitionは、Intelの悲観的な予想について3つの説明を提示している。
Intelの経営陣は、供給の制限についても言及している。供給が制限されると、通常は売上高が上がるはずである。チャネルチェック(流通チャネルからの情報を基に企業の事業を評価する手法)では、Intelの在庫が枯渇しているとみられる。こうした状況では通常、価格の上昇と補充サイクルに拍車が掛かるはずだ。
EnerTuitionは、「こうした傾向がなくても、第2四半期は通常、季節要因で上昇する四半期であるが、Intelのガイダンスでは、これらの上昇要因は何一つ示されていない」と述べている。
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