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ウシオ電機、小型のエキシマ照射装置を発売部品の接着・封止工程で品質向上

ウシオ電機は、小型のエキシマ照射装置「HPV-ST」シリーズを開発した。2020年8月より販売を始める。

» 2020年07月31日 13時30分 公開
[馬本隆綱EE Times Japan]

自動車部品やスマホの既存製造ラインに設置可能

HPV-STシリーズの外観

 ウシオ電機は2020年7月、小型のエキシマ照射装置「HPV-ST」シリーズを開発したと発表した。2020年8月より販売を始める。

 新製品は、自動車やスマートフォンに搭載される部品の接着、封止作業を行う際の前処理に用いることで、製造プロセスにおける品質向上や歩留まり改善を可能にする装置。波長172nmの真空紫外光(エキシマ光)を照射し、実装部品のドライ洗浄や親水化、接着性を向上させることができる。

 新製品は、独自のオゾン排気構造を採用し、これまで必要だった処理室構造を大幅に簡素化した。しかも、ユーティリティーを電源と排気のみにすることで、インライン評価や既存生産ラインへの追加設置が容易となった。また、高出力光源を用いたことで、少ないランプ数で処理が行えるなど、設置面積や投資コストの削減も可能である。

 HPV-STシリーズは、300mmタイプと550mmタイプを用意している。300mmタイプは、重さが13kgと比較的軽く、1人で作業することができるという。紫外線強度はいずれも170mW/cm2である。均一度は±10%以内。

 自動車やスマートフォンに搭載される部品は、軽量化に向けて新材料の開発が進み、接着性が低い材料を採用した部品が増加、異形部品も数多く登場している。これらの部品を用いる場合、前処理を十分に行わないと接着・封止工程で品質や歩留まりの低下を招くケースもあるという。

 これまでは、大気圧プラズマ方式を用いて前処理を行ってきた。この方式だと用いるガスの流量が多く、ユーティリティーの負荷が大きくなったり、品質管理が難しかったり、装置を設置する面積が大きくなったりしていた。新製品はこうした課題を解決している。

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