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ソフトバンク、Armを最大400億ドルでNVIDIAに売却18カ月で完了の見込み

ソフトバンクグループは2020年9月13日(米国時間)、Armの全株式を、最大400億米ドル(約4.2兆円)でNVIDIAに売却すると発表した。売却完了は2022年3月ごろになると見込んでいる。

» 2020年09月14日 10時35分 公開
[永山準EE Times Japan]

 ソフトバンクグループは2020年9月13日(米国時間)、Armの全株式を、最大400億米ドル(約4.2兆円)でNVIDIAに売却すると発表した。売却完了は2022年3月ごろになると見込んでいる。ソフトバンクグループ代表取締役会長兼社長の孫正義氏は、「NVIDIAはArmにとって理想的なパートナーだ。両社の魅力的な連合は、Arm、ケンブリッジ、英国が現代のテクノロジーのイノベーションの最前線に立つことであり、当社がNVIDIAの主要株主として、Armの長期に渡る成功に投資していくことをうれしく思う」とコメントしている。

 ソフトバンクグループによると、SoftBank Group Capital(以下、SBGC)およびソフトバンク・ビジョン・ファンドが保有するArmの全株式をNVIDIAに売却する。取引価格は最大で400億米ドルとなるが、まず契約時にArmに対して20億米ドルが支払われ、クロージング時にSBGCおよびソフトバン・ビジョン・ファンドに100億米ドルが現金で、215億米ドルがNVIDIAの普通株式で支払われる。その他、15億米ドル相当のNVIDIA株式報酬がArm従業員に付与される。この取引完了後、SBGCおよびソフトバンク・ビジョン・ファンドはNVIDIAの発行済み株式の約6.7〜8.1%を保有することになるという。取引完了には英国、中国、EUおよび米国を含む規制当局の承認などの必要になり、取引の完了に約18カ月かかると見込む。

 この売却取引契約の締結にあわせ、NVIDIAとArmはライセンス契約を締結。Armは、ライセンス契約に基づきIPG(IP Products Group:半導体IPグループ)事業の既存および将来の全てのArm製品、サービス、ツール、その他の商業的提供物のライセンスをNVIDIAに付与する、としている。なお、Armの事業のうちISG(Internet-of-Things Services Group:IoT(モノのインターネット)に関連するサービスグループ)事業は、この取引完了までにArmから分離される見込みで本取引の対象外だという。

 ソフトバンクグループは2016年9月にArmを310億米ドルで買収していた。今回の売却について、同社は「当初計画していたArm単独での再上場とNVIDIAとの組み合わせについて検討した結果、後者のほうがArmの潜在的な可能性をより実現でき、株主価値の向上に資すると判断した」と説明。「世界で最も普及しているコンピューティングプラットフォームを提供するArmとAIコンピューティングの第一者であるNVIDIAの組み合わせにより、AI時代の世界をリードするコンピューティングカンパニーが誕生し、イノベーションを加速するとともに大型成長市場へと事業を拡大していくものと期待している。本取引の完了後も、当社のArmのテクノロジーの力と潜在的な可能性に対する確信はまったく変わることなく、当社はNVIDIAの戦略的な主要株主としてArmの長期的な成功に引き続きコミットし、NVIDIAの価値の向上、ひいては当社の株主価値のさらなる向上に取り組んでいく」などとしている。

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