COVID-19への影響に対して、会社がモノづくりで採用している(もしくは今後とる予定の)対応策(複数回答可)については、「自社イベント/セミナーの開催中止/延期」が32.5%、「生産の削減」が21.5%と依然として上位ながら、それぞれ前回から8.1ポイント、8.6ポイント減少した。一方、前回は回答がなかった「VR(仮想現実)/AR(拡張現実)/MR(複合現実)」が5.5%となったほか、今回新たに追加した項目「オンラインイベントの実施」が27.5%、「サーモグラフィーや顔認証を用いた入退管理システム」も14.0%と比較的高い水準になっており、ピークはいったん過ぎたもののコロナの収束が見えない中、テクノロジーの活用によって課題解決を図ろうとする企業の姿勢が表れたといえるだろう。
なおこの設問では、「コラボレーションツール(テレワーク)の活用」が59.0%と、前回の64.9%から減少した。前回アンケートは緊急事態宣言の期間中だったため、環境整備が十分でなくとも急きょテレワークを導入した企業も多かったことが要因とみられる。ただ、今回のアンケ―トでも、設問「テレワークで従来道り問題なく業務できているか」に対し、「出社していた時ほど業務が進まない」は53.0%と過半数を占めており、いまだ多くの企業がテレワーク導入に課題を残していることが浮き彫りになった。この設問では自由回答も募集している。以下に一部を抜粋する。
[できているが、出社していた時ほどは業務が進まない]と答えた方
また、さまざまな展示会やイベントが代替手段として開催する「オンラインイベント」への関心についても、「参加してみて、よかったと思った」が27.8%、「参加したことはないが、参加してみたい」が41.2%と好意的な意見が7割を占めた一方、「参加してみて、不満があった」も14.4%となった。COVID-19の感染拡大を受けて緊急避難的にオンラインへの移行が急速に進んだものの、必ずしも参加者が満足いくような内容になっているとはいえないようだ。実物に触れるなどのオフラインでしか得られないメリットを補うことは難しいが、より多くの参加者が満足いくようにするためには、今後さらなる精査が必要だろう。
COVID-19の収束はいまだ見通せない。また、仮に収束したとしても人々の暮らし方や社会の在り方が依然のように戻ることはなく「Withコロナ/ニューノーマル時代」に向けた改革が必要だという意見は強い。アンケートでも実際に、52.1%が収束後も事業や業務が以前と同じに戻ることはないと回答している。今回は、そうした時代にどんな技術を期待するかも尋ねた。その結果、VRやAR、5G(第5世代移動通信)、AIおよびロボティクスなどによる遠隔医療やリモート作業などへの期待が多いことが分かった。以下に回答の一部を抜粋する。
遠隔医療や自動運転など、withコロナ/ニューノーマル時代で期待する技術
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