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5G 人からモノへ 〜「未踏の時代」迎えた無線技術 特集

5Gは確かに高速だが「いまだに4Gにつながる方が多い」エリクソンが最新レポートを発行(1/2 ページ)

エリクソン・ジャパンは2020年12月17日にオンライン記者説明会を開催し、同年11月にEricssonが発行した、世界の移動通信市場に関する調査報告書「エリクソンモビリティレポート」の最新版について概要を紹介した。

» 2021年01月06日 13時30分 公開
[村尾麻悠子EE Times Japan]

 エリクソン・ジャパンは2020年12月17日にオンライン記者説明会を開催し、同年11月にEricssonが発行した、世界の移動通信市場に関する調査報告書「エリクソンモビリティレポート」の最新版について概要を紹介した。

 まず、5G(第5世代移動通信)の加入契約数は、2020年末には2億2000万件、2026年には35億件と予測されている。エリクソン・ジャパンのCTO(最高技術責任者)を務める藤岡雅宣氏は、「LTE加入のピークは2021年で、48億件とみられる。その後、新規加入契約数は5Gの方が多くなってくる」と述べた。

 5Gは、4Gに比べて立ち上がりが速いことも特長だ。藤岡氏は「現行の5GはNSA(Non Stand Alone)で、実装しやすいことが理由の一つと思うが、それでも立ち上がりが速い」と指摘した。2026年には、5Gの加入契約数が全世界モバイル加入契約数の40%に達する見込みとなっている。

 5Gの加入契約数をけん引するのは、北米、北東アジア、西欧だ。2026年には、5G加入契約数の割合は、北東アジアが66%、西欧が68%、北米では80%に達するとEricssonは予測している。

左=5Gの立ち上がりは4Gに比べて速い/右=地域別のモバイル加入契約数の予測。北東アジア、西欧、北米では5Gの割合が高い 出典:エリクソン・ジャパン(クリックで拡大)

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響もあり、家庭では光ではなくFWA(固定無線アクセス)の利用が急増している。藤岡氏は「FWAは多くの場合、家庭へのブロードバンドを実現する最速の手段」と語り、過去2年間でFWAを提供する事業者が103社から200社に倍増したことを紹介した。

 5Gスマートフォンの市場投入も順調に進んでいる。藤岡氏は「端末でもSA(Stand Alone)化が進んできている。また、300米ドル台の安価な5Gスマートフォンも登場している」と述べる。市場には、既に150機種以上の5Gスマートフォンが投入されている。

2026年には世界人口の60%をカバー

 Ericssonは、2026年には5Gは世界の人口の60%をカバーすると予測する。2020年11月時点で、世界49カ国、122事業者が商用5Gを提供している。Ericssonは118の事業者と商用5Gネットワークの契約を締結していて、24GHz帯以上のミリ波から2G〜6GHz帯のミッドバンド、2.6GHz帯以下のFDDバンドまでの周波数帯をサポートしている。

左=世界49カ国、122事業者が商用5Gを提供している/右=Ericssonがサポートしている商用5Gの周波数帯と通信事業者。「ミリ波はまだまだ少ない」(藤岡氏) 出典:エリクソン・ジャパン(クリックで拡大)
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