ロームは「コイン電池で10年駆動」というコンセプトで開発した超低消費電源技術「Nano Energy」を展開。同技術を採用した降圧DC-DCコンバーターIC「BD70522GUL」は、「世界最小」(ローム)をうたう待機時消費電流180nAを実現している。
このNano Energy応用電源ICであるBD70522GULと半固体電池のEnerCeraを組み合わせることで、電池寿命を大幅に伸ばすことが可能になる。例えば、10mAh容量の全固体電池と待機時消費電流10μAの従来電池を使用した場合の待機可能時間は40日程度だが、27mAhのEnerCera PouchとBD70522GULを組み合わせれば6000日以上にわたり待機できるとする。「BD70522GULは、待機時消費電流がわずか180nAであり、数マイクロアンペア程度の微弱な電力しか発電できない環境発電(エナジーハーベスト)デバイスやマイクロ波給電でEnerCeraを充電できる可能性が大きく広がった。Nano EnergyとEnerCeraの組み合わせで、より実用的な電池交換が不要なメンテナンスフリーIoTデバイスが実現できるようになった」と述べる。
Nano EnergyとEnerCeraを組み合わせた利用の拡大を図るため、両社は協業を通じて、評価用のデモボードを開発。2020年1月20日から開幕する展示会「第35回ネプコンジャパン エレクトロニクス開発・実装展」の日本ガイシバーチャルブース(オンライン)で公開する。同デモボードには、EnerCera PouchとBD70522GULのほか、Nano Energyを応用した低消費電力リセットIC「BD5230NVX」、充電制御IC「BD71631QWZ」を搭載し、電池と周辺デバイスを組み合わせた総合的な評価が手軽に行えるようになっている。
両社はそれぞれIoTデバイスやウェアラブル機器などの用途市場でデモボードを使用して提案活動を実施していく方針。また両社では「市場ニーズを見極めながら、EnerCeraにより最適な電源ICの開発を連携して進めるなどの協業も実施していく予定」としている。
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