ルネサス エレクトロニクスは、消費電力が極めて小さい32ビットマイコン「REファミリ」として、Bluetooth 5.0に対応した「RE01B」を新たに発売した。環境発電や小型電池で長時間動作が求められる小型ヘルスケア機器などの用途に向ける。
ルネサス エレクトロニクスは2021年3月、消費電力が極めて小さい32ビットマイコン「REファミリ」として、Bluetooth 5.0に対応した「RE01B」を新たに発売した。環境発電や小型電池で長時間動作が求められる小型ヘルスケア機器などの用途に向ける。
RE01Bは、ルネサス独自のSOTBTM(Silicon On Thin Buried Oxide)プロセス技術を採用することで消費電力を抑えた。CPUコアは動作周波数が最大64MHzの「Arm Cortex-M0+」を搭載。消費電流は動作時(内蔵LDO使用時)で35μA/MHz、スタンバイ時は600nAと極めて小さい。外部に同社製のDC-DCコンバーターIC「ISL9123」を用いると、動作時の消費電流を15μA/MHzまで低減することができるという。
Bluetooth 5.0に対応しており、通信距離は最大400m、データスループットは2Mビット/秒である。また、Bluetooth受信時は3.0mA(毎秒1Mビット時)、送信時は4.3mA(0dBm、毎秒1Mビット時)のピーク電流を達成している。
メモリ容量はフラッシュメモリが1.5Mバイト、SRAMは256Kバイトを内蔵しており、OTA(Over the Air)によりファームウェアの更新を行うことができる。また、環境発電素子などを直接接続するためのエナジーハーベスト制御回路や、強固なセキュリティ機能を実現するためのトラステッドセキュアIP、消費電力が約4μAの14ビットA-Dコンバーターなどを搭載している。
さらに、Bluetooth 5.0のプロトコルスタックに加えて、Heart Rate Profile(HRP)、Environment Sensing Profile(ESP)、Automation I/O Profile(AIOP)など、各種標準プロファイルに準拠したAPIも提供する。
RE01Bは、動作電圧が1.62〜3.6Vで、1.62Vでも最大64MHzでの動作が可能である。パッケージは外形寸法が8×8mmの64端子QFNで供給する。
環境発電システムなどを含む評価キット「EB-RE01B」は、テセラテクノロジーが供給を始めた。開発ツールとしては、カスタムプロファイルのプログラム生成とシステムに組み込むための「QE for BLE」や、Bluetoothの機能確認などを比較的容易に行える「Bluetooth Test Tool Suite」を用意している。
さらに、RE01BとアナログICやパワーICなどを組み合わせたソリューション「ウィニング コンビネーション」についても、順次出荷を始める予定である。
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