東レは、炭素繊維複合材料(CFRP)の放熱性を、金属並みに高めることができる高熱伝導化技術を開発した。車載用電池の発熱による劣化抑制や電子機器の性能向上が可能となる。
東レは2021年5月、炭素繊維複合材料(CFRP)の放熱性を、金属並みに高めることができる高熱伝導化技術を開発したと発表した。車載用電池の発熱による劣化抑制や、電子機器の性能向上が可能になる。
CFRPは、軽量で高強度、高剛性といった特長を生かし、航空機や自動車、電子機器などに用いられている材料である。ただ、金属に比べると熱伝導性に劣るため、表面や内部にグラファイトシートを用いて、放熱性を改善する対策が取られている。しかし、グラファイトシートは破断や飛散、損傷しやすいという課題もあった。
そこで東レは、既に実用化している高剛性多孔質CFRPを支持体として用い、グラファイトシートを保護する熱伝導層を新たに開発した。これによって、これまで課題であったグラファイトシートの破断や飛散、損傷を抑えることができるという。
この熱伝導層にCFRPプリプレグを積層することで、軽量性などCFPRの特長を生かしつつ、発熱を効率よく放熱できる熱伝導性を実現することに成功した。また、熱伝導経路となるグラファイトシートの厚みや積層位置は、自由に配置することができるという。このため、CFRPの冷却効率向上や熱を効果的に拡散させる経路の設計なども比較的容易になる。
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