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» 2021年07月06日 11時30分 公開

「ルンバ対中国製」の構図で競争が進むお掃除ロボ製品分解で探るアジアの新トレンド(50)(1/3 ページ)

中国Xiaomi系のロボット関連機器を手掛けるRoborockの多機能お掃除ロボットが2020年末に発売された。日本では大型家電量販店の独占販売となっており、ネット広告やTV-CMなどでも見かけることがあるほどにイチオシ製品として扱われている。今回は、Roborockの最上位機である「S6 MaxV」を分解した。

[清水洋治(テカナリエ),EE Times Japan]

Xiaomiブランドのお掃除ロボット

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 中国Xiaomi系のロボット関連機器を手掛けるRoborockの多機能お掃除ロボットが2020年末に発売された。日本では大型家電量販店の独占販売となっており、ネット広告やTV-CMなどでも見かけることがあるほどにイチオシ製品として扱われている。現在多くのお掃除ロボットが出回っているが、“米iRobotの「ルンバ」 vs 中国製品”という対立構図になっている。日本メーカー、韓国メーカーなどもお掃除ロボットを手掛けているが、対立軸にはなっていない。

 図1は、Roborockが現在販売する最上位機種「S6 MaxV」の梱包箱の外観および本体の外観である。図1以外に充電用のホームステーションなどが梱包されている。

図1:Roborockのハイエンドお掃除ロボット「S6 MaxV」 出典:テカナリエレポート(クリックで拡大)

 本体は円筒形の通常のお掃除ロボットの形状で、コーナーブラシ、前面にはデュアルカメラ、本体トップにはレーザースキャナーが備わっている。充電時にはデュアルカメラが正面に向くようにステーションに戻るようになっている。レーザースキャナーは、スキャナーから照射されたレーザーが物体に当たって反射して戻ってくる時間を計算して物体までの距離を求めている。距離を求めて3次元の座標に置き換え、お掃除の対象となる部屋の地図データを作っているわけだ。地図データだけでなく、レーザー波の反射率、角度なども同時に収集するので、物体のおおよその素材(硬い、軟らかい)の他、カラー情報(RGB)を得られるものもある。

 お掃除ロボットは、レーザースキャナーを用いて掃除対象エリアの地図を最初に作り、効率よく掃除を進めるという機能を持っている。デュアルカメラは通常のカメラと同じCMOSイメージセンサーを用いたもの。物体をカメラで捉え、本体にあらかじめ備わっている物体の形状データ(椅子とかスリッパなど)のライブラリを照合し、物体の判断を行っている。また充電待機時には監視カメラ(見守りカメラ)として利用できる。現在は、発売されるほとんどのお掃除ロボットがWi-Fi通信機能を備えており、スマートフォンと連動する。スマホで操作できるだけでなく、スマホでお掃除ロボットのカメラ映像を見ることもできる。

レーザースキャナーを取り外せば“普及モデル”に

 図2はレーザースキャナーを取り外した様子である。多くのレーザースキャナーが販売されており、内部構造はほとんど同じものになっている。まずレーザーが周囲を360度スキャンできるように回転モーターが備わっている。モーターでレーザー部がくるくると回転してスキャンを行う。

図2:S6 MaxVのレーザースキャナー 出典:テカナリエレポート(クリックで拡大)

 現在、特に中国では、レーザースキャナーを搭載したお掃除ロボットは多数販売されており、いずれもお掃除ロボットの本体トップにスキャナーが備わっている。複数の機種を分解しているが、全ての機種でレーザースキャナーは独立したユニットとなっており、図2のように簡単に取り外しができる。本体との接続端子は1カ所だけである。レーザースキャナーを外して、本体トップのカバー形状を変え、スキャナーの場所をふさいでしまえば、レーザースキャナーなしのモデルが瞬時に生まれるわけだ。そして、スキャナー付きを最上位とし、スキャナーなしを普及モデルとして販売できるのである。

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