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» 2021年07月09日 11時30分 公開

半導体好況はいつまで続くのか大山聡の業界スコープ(43)(1/2 ページ)

WSTS(世界半導体統計)がこのほど公表した世界半導体市場規模予測は前年比19.7%増、2022年も同8.8%増とプラス成長が続くとした。2020年12月の時点の予測を大幅に上方修正したことになる。昨今の半導体市況を見れば、上方修正は当然と言える。だが、この状態がいつまで続くのか、2022年をどのように予測すべきか、ここで考えてみたい。

[大山聡(グロスバーグ),EE Times Japan]
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 WSTS(世界半導体統計)は2021年6月8日、2021年春季半導体市場予測を発表した。それによると2021年の世界半導体市場規模は前年比19.7%増、2022年も同8.8%増とプラス成長が続くと予測した。2020年12月の時点では2021年を同8.4%増と予測していたので、今回はこれを大幅に上方修正したことになる。昨今の半導体市況を見れば、上方修正は当然と言える。だが、この状態がいつまで続くのか、2022年をどのように予測すべきか、ここで考えてみたい。

各半導体製品で成長が見込まれる状況

 下表はWSTSが発表した2021年春季半導体市場予測の半導体製品別予測で、ディスクリート、光半導体、センサー、トータルICの市場規模見通しが紹介されている。

世界の半導体製品別市場予測 (クリックで拡大) 出典:WSTS[2021年春季半導体市場予測]

 ディスクリートは2021年を前年比18.3%増と予測しているが、2021年1月から5月までの実績を見ると同30.8%という極めて強い伸びを示しており、前回のピークだった2017年の伸びを上回っている。主要メーカーは200mm(8インチ)ウエハーラインをフル稼働させているが供給が追いつかず、パワー系製品は300mm(12インチ)ウエハーラインでの量産を始めようとしている。ただ、300mmラインの立ち上がりが遅れるようであれば、この状況が継続される可能性が高い。2021年だけでなく、2022年も20%超の成長があり得る、と筆者は予測している。

 光半導体は同9.8%増という予測だが、2021年5月までの実績では同13.8%増。光半導体市場は2020年後半も伸び悩んでいたことを考えると、2021年は同15%前後の成長が期待できそうだ。ちなみにこの市場の約半分をイメージセンサーが占めている。スマホ1台当たりのイメージセンサー搭載数量が増加するようであれば、2022年も2ケタの成長が見込めるかもしれない。ただしこの市場は、特定の要因によって動向が左右されやすいので、注意が必要である。

 センサーは同22.4%増という予測。2021年5月までの実績では同34.3%増で、特に2021年1月以降同30%増を下回ったことが一度もないまま高成長を維持している。IoTの普及だけでなく、コロナ感染対策として非接触機能のニーズが高まっているので、当面は高い水準での成長が続くだろう。もちろん、2022年も同様の成長が期待できると筆者は予測している。

アナログ、マイクロ、ロジックも高い伸び

 では、IC市場をどう見るべきだろうか。

世界のIC製品別市場予測 (クリックで拡大) 出典:WSTS[2021年春季半導体市場予測]

 ICはアナログ、マイクロ、ロジック、メモリに類別される。

 アナログ市場は同21.7%増という予測だが、2021年5月までの実績では同39.0%増という驚異的な伸びを記録している。この市場は2020年後半から回復し始めているので、2021年全体で同30%増以上は難しいとしても、30%に近い伸びは期待できるだろう。特にスマホ向けや車載向けのアナログIC需要が全体をけん引しそうな見込みである。

 問題は供給体制だろう。Texas Instrumentsなど一部の主要メーカーは300mmウエハーラインでの量産を行っているが、多くのメーカーが200mmウエハーラインを使っており、生産能力(キャパシティー)を十分に拡張できていない。その結果としてファウンドリー(半導体受託製造企業)への依存度が高まっている。ファウンドリー各社のキャパシティーがいっぱいであることを考えると、2022年もひっ迫が続く、という可能性がある。

 マイクロ市場は同8.1%増という予測になった。2021年5月までの実績では同7.9%増であり、一見無難な予測に見えるものの、MPUとMCUの動向に大きな違いがあることに注意が必要だ。

 MPU市場の今年5月までの実績は同2.0%増と実質的にほぼ横ばい。一方、MCUは同26.2%増で、車載向けMCUメーカーを中心に好調に推移している。MPU市場が2020年後半に伸び悩んだので、2021年全体は10%前後の成長が期待できる。MCU市場は当面好調に推移しそうなので、マイクロ全体としては15%前後の成長が期待できるのではないだろうか。ただしファウンドリーにおけるMCUの生産能力については、課題が残されているようである。

 ロジック市場は同17.0%増という予測だが、2021年5月までの実績では同30.0%増という高い伸びを記録している。この市場はアナログ市場とは違って2020年初から比較的好調に推移していて、2021年に入ってから通信機器向けを中心にさらに高い成長を見せ始めた。実際のアプリケーションは多岐に及んでいるので、2021年も2022年も20%を超える伸びを期待できる、と筆者は予測している。だが、やはりファウンドリーの生産能力が当面の課題になりそうである。

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