テレマティクスデータに基づく新たな自動車保険は、一部の保険会社では普及率が30%にも達している。保険業者がデータ主導の新たな保険製品を開発する中、そうした保険は27%を超える年間成長率で拡大することが見込まれる市場となっている。より幅広い車両データセットへのアクセスとより詳細かつ正確な洞察があれば、次世代の保険数理分析ツールの開発、新たなモビリティ製品の開発、クレーム処理などが可能になる。
コネクテッドカーは1時間当たりにテラバイト級のデータを生み出し、その一部は高度な引き受け業務(保険会社が行う業務)や複数の商用アプリケーションに用いることが可能だ。一方で、自動車メーカーや保険会社は、「十分な性能と安全性、自動車全体のデータへの集中型のアクセスを備えた、コスト効率の良いデータ処理プラットフォーム」が市場にないという問題によって、そうした応用の実現を妨げられていた。
MoterとNXPのプラットフォームが対処しようとしているのは、まさにその部分である。Fischer氏は「利用ベース自動車保険(User-Based Insurance)は、自動車産業が最大の顧客満足と収益の可能性を見いだせるデータ商業化の機会の1つである。MoterはNXPとともに、自動車業界がモビリティ保険、フリートの健全性や監視、保険のプランニングや最適化に向けて豊富なデータを活用できるようなデータブリッジを提供している」と述べた。
2021年初めにMcKinseyが発表したレポートによると、多くの自動車メーカーがコネクティビティや関連ソフトウェアの開発に苦労していることから、コネクティビティとデータ集積化の発展は遅れているという。
一方で、同レポートは、車両データの収益化は現在転換期にあるとも伝えている。また、コネクテッドカーのカスタマーエクスペリエンスを高め、より幅広いサービスを実現するには、特に自動車メーカーやエコシステムのプレイヤーがより強力なE/E(Electric/Electronic)アーキテクチャやOTAアップデートをもたらす新たな技術を利用できるようになることや、大幅に向上した演算能力と相互接続性を活用できるようになることが必要だという。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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