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» 2021年10月13日 16時10分 公開

使用電力の100%を再エネに、村田製作所の工場で「初」金津村田製作所で2021年11月から(2/3 ページ)

[村尾麻悠子,EE Times Japan]

積雪にも強いカーポート型ソーラーパネル

 金津村田製作所に導入されている太陽光発電システムは、屋根置き型とカーポート型の2種類。カーポート型に使われているソーラーパネルの枚数は1257枚で、発電容量は383kW。金津村田製作所によれば、これは北陸地方では最大規模だという。金津村田製作所の駐車場の台数は300台で、そのうち167台分の屋根に、カーポート型ソーラーパネルが設置されている。今後は、まだ屋根が付いていない駐車場にカーポート型ソーラーパネルを設置することで、ソーラーパネルを増設する。

左=167台分の駐車場の屋根にカーポート型ソーラーパネルが設置されている/右=クルマのドアを開けやすくするため、通常よりも柱の本数を減らしつつ、基礎や柱の太さなどを工夫することで175cmの積雪に耐えられる構造になっている。さらに、ソーラーパネルの下にアンダーカバーを設置し、雨や雪が吹き込むのを防ぐ[クリックで拡大]

自社の電池「Fortelion」を搭載

 蓄電池ユニットには、村田製作所の産業用リチウムイオン二次電池(オリビン型リン酸鉄リチウムイオン二次電池)「Fortelion(フォルテリオン)」を採用。蓄電池ユニット1台当たり、26台の蓄電池システム用バッテリーモジュールを搭載する。32台のユニットで、計9万セルを使っている。

左=蓄電池ユニット/中央=蓄電池ユニットの扉を開けたところ。Fortelionを搭載した蓄電池システム用バッテリーモジュールが26台、収められている。なお、Fortelionは東北村田製作所(福島県郡山市)で製造されている/右=蓄電池の電力を工場用に変換する電力変換器。こちらは外部調達している[クリックで拡大]

予測に基づく高精度な電池制御

 今回のように自家発電して自家消費するタイプの再エネを導入する場合、「あふれさせずに使い切ることが重要」(村田製作所 シニアマネージャー 堤正臣氏)だ。従来のFIT(Feed In Tariff/固定価格買取制度)型の太陽光発電では、電力を作りすぎても問題ないが、今回は余剰発電を使いきることが求められる。そのために鍵となるのが、工場に必要な電力を予測して電池制御を行うエネルギーマネジメントシステムだ。

 堤氏は「太陽光発電の変動と消費電力の変動の『W変動』を予測する」と述べる。小型の高周波部品から、大型のESS製品まで手掛ける金津村田製作所は、「1mmから100kgまでの部品を製造する」(同社)こともあり、電力使用量が大幅に変動する工場だ。村田製作所独自のエネルギーマネジメントシステムでは、気象情報や工場の生産管理、発電予測などのデータを用いて翌日の電力使用量を予測し、蓄電池の充放電制御を行う。「できるだけ多くのデータを用いて機械学習で学習させ、予測の精度を上げていく。金津村田製作所のように、秒単位で消費電力が大幅に変動する工場で予測するのは、チャレンジでもある。一方で、金津村田製作所で高精度な蓄電池制御ができるならば、消費電力がもう少し安定している他の工場にも横展開しやすくなる」(堤氏)

左=太陽光発電と消費電力の変動予測に基づき、蓄電池の充放電制御を行う/システムの管理画面では、発電状況や消費電力がリアルタイムで分かる[クリックで拡大]

 なお、金津村田製作所の100%再エネ化に向けた投資額については非公開としたが、「数億円レベル」(堤氏)であることを示唆した。

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