富士電機、第2世代SiC-SBDシリーズを発売:基板厚みを1/3とし定常損失削減
富士電機は、データセンターや通信基地局用電源装置に向けた「SiC-SBD(炭化ケイ素−ショットキーバリアダイオード)シリーズ」を発売した。第2世代と呼ぶ新製品は、第1世代品に比べ通電時の電力損失(定常損失)を16%も削減している。
富士電機は2021年10月、データセンターや通信基地局用電源装置に向けた「SiC-SBD(炭化ケイ素−ショットキーバリアダイオード)シリーズ」を発売した。第2世代と呼ぶ新製品は、同社第1世代品に比べ通電時の電力損失(定常損失)を16%も削減している。
SiC-SBDシリーズの外観
新製品は、SiC基板の厚みを、従来製品に比べ3分の1に薄く加工し、電流の流れる距離を短くした。さらに、チップ構造も変更することで、定常損失を削減できたという。雷などによる大電流への耐性も高めている。
新製品は合計8製品(開発中の2製品含む)を用意した。定格電圧650V品だと定格電流/サージ順電流が6/54A品、8/68A品、10/82A品、順電圧はそれぞれ1.3V、パッケージは「TO-220-2」または「TO-220F-2」の6製品。定格電圧1200V品は定格電流/サージ順電流が20/190A品と40A/305A品で、順電圧はそれぞれ1.57Vの2製品、パッケージは「TO-247-2」で供給する。
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