NVIDIAは、米国ラスベガスで開催された「CES 2022」(2022年1月5〜7日)において、車載AI(人工知能)やゲーム向けとして近く発表予定のさまざまな新技術を披露した。また、AT&TやSamsung Electronicsとの連携による新たなイニシアチブも発表している。
NVIDIAは、米国ラスベガスで開催された「CES 2022」(2022年1月5〜7日)において、車載AI(人工知能)やゲーム向けとして近く発表予定のさまざまな新技術を披露した。また、AT&TやSamsung Electronicsとの連携による新たなイニシアチブも発表している。
グラフィックスチップ分野のけん引役であるNVIDIAはCES 2022において、自動運転車の進化を推し進めているとされる市場分野である、車載AIに重点を置いたプレゼンを行った。同社のバイスプレジデントであり、オートモーティブビジネス部門担当ゼネラルマネジャーを務めるAli Kani氏は、「自動運転車は、最も難しいAI関連の課題が提示される分野であるが、その一方で、社会に極めて重要なメリットをもたらすことができる」と述べている。
NVIDIAは、車載AIの普及を推進していく上で、自動運転車をサポートするための機械学習パイプラインの3本柱となる技術を開発したという。
NVIDIAはCES 2022において、2021年11月に初めて発表した「DRIVE Hyperion 8」プラットフォームを目玉として取り上げ、「ますます多くのメーカーが、コンピュータアーキテクチャやセンサーを導入している」と主張した。このAIプラットフォームは、NVIDIAのSoC(System on Chip)「Drive Orin(以下、Orin)」を搭載するほか、サラウンドカメラを12個と、レーダーを9個、超音波センサー12個、前面LiDAR1個、車室内センシングカメラを3個、搭載するという。
Kani氏は、「自動運転車開発には、全く新しいプラットフォームアーキテクチャとソフトウェア開発プロセスが必要だ。ハードウェアとソフトウェアはいずれも、包括的な試験と検証を行うことにより、自動運転車の厳格なセキュリティ要件を満たしながら、日常運転における厳しい環境にも対応できるようにする必要がある」と述べる。
NVIDIAによると、DRIVE Hyperionアーキテクチャを採用しているメーカーとしては、Volvo Carsの傘下であるPolestarの他、中国の電気自動車メーカーであるNIOやXpeng Motors、Li Auto、R Auto、IM Motorsなどが挙げられるという。また、ロボットタクシーサービスを手掛けるCruiseやZoox、DiDiなどもDRIVE Hyperionを採用しているようだ。
またNVIDIAは、「米国の物流業界は、パンデミックによって発生した供給の混乱に対応するための手段として、当社のOrinプラットフォームを活用することになるだろう。米国では今後、14万人を超えるトラックドライバーが不足すると予測されているが、自動運転トラックメーカーはOrinを採用することにより、2027年までにドライバー不足を解消できるようになる」と主張する。
さらに同社は、ドライバーの“デジタルアシスタント”として機能する『DRIVE Concierge』についても強調した。DRIVE Conciergeは、音声AIソフトウェアと、コンピュータビジョン、自然言語処理、レコメンデーションエンジン、シミュレーション技術などを組み合わせることにより、物理的制御やタッチスクリーンなどを必要とする複数の機能を制御することが可能だとしている。
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