ウクライナでネオンガスメーカーの2社が生産停止 : ロイターが報じる
ロイター通信は2022年3月11日(米国時間)、ロシアによるウクライナ侵攻で、半導体製造用ガスのネオンを製造するウクライナの主要メーカー2社が操業を停止したと報じた。
ロイター通信は2022年3月11日(米国時間)、ロシアによるウクライナ侵攻で、半導体製造用ガスのネオンを製造するウクライナの主要メーカー2社が操業を停止したと報じた 。
製造を停止した2社は、ウクライナ・オデッサに本社を置くCryoinと、マリウポリに本社を置くIngas。Cryoinは、経営幹部が2022年2月24日(現地時間)に工場の操業停止を決断したと、同社のFacebookで伝えている(CryoinのFacebook )
ネオンガスは、既報の「ロシアのウクライナ侵攻が半導体市場に与える影響は 」にある通り、DUV(深紫外)露光用光源エキシマレーザーなどに不可欠な不活性ガス。ウクライナはネオンガスの世界供給の70%近くを生産しているが、ロイター通信によれば、IngasとCryoinの2社だけで同45〜54%を生産しているとする。
なお、WIREDの記事「Russia’s War in Ukraine Could Spur Another Global Chip Shortage (ロシアによるウクライナ侵攻でチップ不足が加速する可能性も)」(2022年2月28日/Morgan Meaker氏)によると、Cryoinは欧州、日本、韓国、台湾の企業に不活性ガスを供給しているが、ネオンガスの多くは米国企業に供給されているという。
半導体輸出規制がロシアに与える強力な打撃
米国が半導体などエレクトロニクス技術のロシアに対する販売を禁止したことは、既に品薄状態が続いていた世界各地のサプライチェーンに影響をもたらすと、複数のアナリストが分析している。
ロシアのウクライナ侵攻が半導体市場に与える影響は
ロシアのウクライナ侵攻によって、半導体価格や供給に影響懸念が高まっている。
22年1月の世界半導体市場、前年同月比27%増の507億ドルに
半導体不足が続いているにもかかわらず、半導体工業会(SIA:Semiconductor Industry Association)が2022年3月3日(米国時間)に発表したデータは、半導体売上高の伸びを示している。また、米国の市場調査会社IC Insightsの調査によると、需要の増加が続いていることを受け、業界の設備投資額も史上最高を記録する見通しだという。
半導体不足の影響、新興企業にも波及
半導体不足はいまだに続き、解消のメドは立っていない。それどころか、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の収束も見えず、ロシアによるウクライナ侵攻が発生するなど、半導体関連のサプライチェーンが不安定になる要素は増えている。それに伴って、半導体製造の“自国回帰”の動きが進み、半導体への投資は加速している。こうした状況は、ハイテク関連のベンチャー企業にどのような影響を与えているのだろうか。
中国の半導体生産能力が急成長、世界3位に
米国の市場調査会社Knometa Researchによると、半導体の世界生産能力に占める中国のシェアは2021年に16%に達し、韓国と台湾に次ぐ位置に付いたという。
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