ロシアのウクライナ侵攻によって、半導体価格や供給に影響懸念が高まっている。
この記事は、2022年3月1日発行の「電子機器設計/組み込み開発 メールマガジン」に掲載されたEE Times Japan/EDN Japanの編集担当者による編集後記の転載です。
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ロシアのウクライナ侵攻は、半導体の価格や供給にも影響を与えることが懸念されています。
台湾の調査会社TrendForceが2022年2月15日(台湾時間)に発表した調査によると、ウクライナはネオン、アルゴン、クリプトン、キセノンなどの半導体用原料ガスの主要な供給国であり、特にネオンガスについては、世界の生産能力の70%近くを供給しているということです。同社は、「半導体プロセスで使用されるネオンガスの比率は、他の産業ほど高くないが、それでも必要な資源であることには変わりない。原料の供給が途絶えれば、産業界に影響が出る」と述べています。
なお同社は、これら不活性ガスの供給について、紛争によって「地域的に影響を受ける可能性はあるものの、半導体工場やガス供給会社には在庫があり、他地域からの供給も残っていると考えている」とコメント。ウクライナでのガス生産ライン停止が、短期的に半導体の生産ラインを停止させることはないという予測を示しています。ただし、ガス供給量の減少は価格の上昇につながる可能性が高く、「ウエハー製造のコストを引き上げる可能性がある」とも指摘しています。
不活性ガスは、主に半導体のリソグラフィー工程で使用されます。特にDUV(深紫外)露光用光源エキシマレーザーに必要な混合不活性ガスには、ネオンガスが含まれており、同社は「ネオンガスはこの混合ガスに不可欠であり、交換が困難だ」としています。
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