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廉価版5Gスマホのチップセットを読み解く、各社の“一網打尽”戦略この10年で起こったこと、次の10年で起こること(61)(1/3 ページ)

2021年は、5G(第5世代移動通信)通信機能を備えたスマートフォンが主流になってきた年だった。新製品の多くは5G対応となり、上位機種だけでなく2万円台から購入できる廉価版でも5G機能が売りとなっている。今回は、これらの5G対応スマホに搭載されているチップセットについて分析してみよう。

» 2022年04月06日 09時30分 公開

続々登場している5G対応スマホ

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 2021年は、5G(第5世代移動通信)通信機能を備えたスマートフォンが主流になってきた年だった。新製品の多くは5G対応となり、上位機種だけでなく2万円台から購入できる廉価版でも5G機能が売りとなっている。

 5G通信に対応するためには、5G機能を備えたチップセットを搭載する必要がある。5G対応のベースバンドプロセッサ(デジタルチップ)、5G通信を行うためのトランシーバー、パワーアンプが必須だ。そのため2019年以降スマートフォン向けのチップベンダーはこぞって5G通信用のチップセットを開発しリリースを行ってきた。

 現在5G通信チップセットを提供できるメーカーは5社。米国のQualcomm、台湾のMediaTek、韓国のSamsung Electronics、中国のUNISOC、HiSiliconである。Appleの「iPhone」やSamsungの「Galaxy」、ソニーの「Xperia」、中国Xiaomi、OPPO、VIVOといったメーカーのスマートフォンは2020年以降5Gに対応しており、いずれもハイエンドモデルからの搭載であった。2021年になって普及モデルの廉価版でも5G通信が搭載されるようになり、チップセットも廉価向けのものが各半導体メーカーから続々とリリースされている。今回は廉価版の5Gスマホに搭載されているチップの一部を取り上げたい。

Xiaomiの「Redmi Note 10 JE」

 図1は、中国Xiaomiの廉価版5Gスマートフォン「Redmi Note 10 JE」である。5G通信機能(LTEなども含む)とCPU、GPUなどのプロセッサ機能、ビデオ処理やディスプレイ表示機能などを1シリコン化したQualcommの廉価版「Snapdragon 480」アプリケーション+ベースバンドプロセッサを活用している。またSnapdragon 480に最適化された電源ICやトランシーバーなどもセット化されている。

図1 Xiaomiの「Redmi Note 10 JE」の内部[クリックで拡大] 出所:テカナリエレポート

 CPUは8コアを搭載。高速高機能用に2基のArm「Cortex-A76」が搭載される。Cortex-A76は、5世代前のCPUとなる(A76→A77→A78→X1→X2)。CPUは高度化するたびに機能を増やしているので面積も増え続けている。廉価版の場合には面積の大きい最新CPUコアを用いるのではなく、若干古いが面積の小さいものを用いるのが合理的だ。“若干古い”とはいえ、一般的な用途には十分な性能を持っている。8コアのうち、6コアは面積の小さい高効率コアである「Cortex-A55」が搭載されている。高効率コアは、演算性能は低いが、面積も電力も比例して小さい。簡易な処理を高効率コアで行うことで低消費電力を実現できるだけでなくシリコン面積も小さくでき、コストを抑えることにも貢献している。

 GPUはQualcomm独自設計の「Adreno」を活用している。Adrenoにはさまざまなバージョンがあり、数字が大きいほど機能性能もアップする。Snapdragon 480では「Adreno 619」が採用されている。Samsung社の8nmプロセスで製造されるプロセッサだ。

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