Graphcoreは2022年3月、TSMCと連携して開発した3D Wafer on Wafer(以下、WoW)技術を用いたIPU(Intelligence Processing Unit)「Bow IPU」を発表した。3D WoW技術を用いることで、既存製品とほぼ同じ製造コストでありながら処理性能を40%、電力効率を16%それぞれ向上している。今回、同社の日本法人グラフコア・ジャパンがこの新製品の詳細について語った。
Graphcoreは2022年3月、TSMCと連携して開発した3D Wafer on Wafer(以下、WoW)技術を用いたIPU(Intelligence Processing Unit)「Bow IPU」を発表した。3D WoW技術を用いることで、既存製品とほぼ同じ製造コストでありながら処理性能を40%、電力効率を16%それぞれ向上している。今回、同社の日本法人グラフコア・ジャパンがこの新製品の詳細について語った。
Graphcoreは、2016年に英国で設立したスタートアップで、AI(人工知能)の機械学習に特化したプロセッサであるIPUを手掛けている。2018年には第1世代IPU「Colossus MK1 GC2」、2020年には第2世代IPU「Colossus Mk2 GC200(以下、GC200)」を発表し、既に各国の金融、医療、自動車、消費者向けインターネットサービス、クラウドサービスプロバイダーなど幅広い業界の企業および研究機関で利用されている。同社はこれまでBMWやMicrosoft、Samsung Electronics、Dellなど多くの企業から投資を受けており、企業価値は27億7000万米ドルに達しているという。
同社は2021年だけでも、イーコマースの分野では韓国NHN、フィンテック分野ではMan GroupやCarmot Capital、気象予報分野では欧州中期予報センター(ECMWF)、損害保険分野ではTractableなど多くの採用事例がある。
なお、日本においては日本法人グラフコア・ジャパンを2021年1月に設立。大手製造業における品質検査用途や、イーコマース、テレコムを中心に導入が進んでいるという。また、2022年2月にはNECとの提携も発表しており、GraphcoreのIPUシステムとNECのベクトル型スーパーコンピュータ「SX-Aurora TSUBASA」を組み合わせた高性能なAIソリューションなど、AIを用いたさまざまな応用製品を協力して提供していくとしている。
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