Switchtecファミリーは、ファンアウトスイッチとプログラマブルスイッチ、ファブリックスイッチの3つがある。重要なのは、これらは全てパッケージサイズが同じであるため、拡張が容易であることだ。Microchipによると、同製品ファミリーの趣旨は、個別の部品番号を参照し、適切な機能のみを有効にするファームウェアを顧客に提供することだという。同じファミリー内のある部品番号から別の部品番号に切り替えるだけで、ハードウェアを変更することなく、デザインのアップグレードやダウングレードができるため、柔軟性にも優れている。更新する必要があるのはファームウェアだけである。
図2は、アプリケーションの一例である。これはPCIeスイッチの最も簡単な使い方で、デバイスを相互接続するために最初に使用される方法である(ファンアウト機能)。同製品はAPIが提供されているため、顧客はPCIeスイッチの動作を変更することができる。このようにして、顧客は独自の機能を追加することもできる。
図2の例では、PCIeスイッチに接続された1つのSSDの他に、SoCやCPU、GPUを介して特定の機能を実装する4つのデバイスがある。これら4つは全て、同じSSDを共有している。これは、この種の製品でのみ可能となる機能である。SSDを一種のブラックボックスとして使用することができるため、自動運転においては非常に興味深い機能である。図2に示すブロック図は、集約型コンピューティングプラットフォームを使用することでシステムの複雑さとコストの両方を低減する、集約型車載ネットワークの典型的な例である。
運転者が注意を払っていない自律走行車が故障や、事故を起こしたとする。ブラックボックスの役割を果たすSSDは、全ての関連データを保存し、捜査当局がSSDからデータを取り出して、問題が発生する前の状況を判断できるようにしなければならない。そのためには、SSDが4つのホストから読み書き可能である必要がある。それこそが、PCIeファブリックスイッチの役割だ。また、任意のSR-IOV(Single Root I/O Virtualization)エンドポイントを利用し、複数のホストが同じSSDを共有できるようにすることも可能だ。SSDは1つしかないが、事実上、各ホストがそのスライスを利用することができるようになる。
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.