ロームとデルタ電子は2022年4月27日、GaNパワーデバイスの開発と量産において戦略的パートナーシップを締結したと発表した。デルタ電子の電源開発技術と、ロームのパワーデバイス開発、製造技術を組み合わせ、600V耐圧のGaNパワーデバイスを共同で開発する。
ロームとデルタ電子は2022年4月27日、GaNパワーデバイスの開発と量産において戦略的パートナーシップを締結したと発表した。デルタ電子の電源開発技術と、ロームのパワーデバイス開発、製造技術を組み合わせ、600V耐圧のGaNパワーデバイスを共同で開発する。高効率の電源システムに最適なGaNデバイスを開発することを目指す。
具体的には、デルタ電子は高効率の電源システムの構築に必要なGaNデバイスの情報提供および開発サポートを行う。ロームは、デバイスの開発と製造に関わる技術を提供し、量産化に向けた各種対応を行う。ロームの広報は「実際に使用するアプリケーション(電源システム)側からの要望とニーズを的確にデバイスに落とし込むことで、電源に最適なGaNデバイスの開発が可能になる」とコメントした。
ロームによれば、共同開発したGaNデバイスは、デルタ電子が優先的に採用を検討することになるので、採用拡大にも期待が持てるという。共同開発した製品は、当面はデルタ電子専用となるが、「将来的には外販も検討している」(ローム広報)
デバイス用の制御ICなどは、ロームの技術を活用して最適化を図る。ディスクリートの他、モジュール化やIPM(Intelligent Power Module)化も含め、両社のノウハウを組み合わせて実現していく計画だ。
共同開発するGaNデバイスは、2022年中に開発と量産を完了し、デルタ電子の電源システムに採用される見込みだ。
ロームは2022年3月、ゲート耐圧を8Vまで高めた150V耐圧GaN HEMTを開発し、量産体制を整えたと発表した。150V耐圧GaN HEMTに加え、幅広いラインアップをそろえることで、さまざまな顧客ニーズに応えていくとする。
リリースで、ローム 取締役 常務執行役員 CSOを務める伊野和英氏は、「今回のパートナーシップを通じて、より高効率な電源システム構築に寄与できるGaNパワーデバイスの量産を実現するとともに、ロームの得意とするアナログICを内蔵したGaN IPMも早期に量産し、お客さまが使いやすい商品のラインアップを拡充していく」と述べた。
デルタ電子の副会長を務める柯子興氏は、「グローバル電子業界にとって、GaNパワーデバイスの発展は非常に大きな関心事。ロームとは、これまで数年間にわたり交流を深めてきたが、ことし、ようやく技術交流の成果を出すことを2社にとって喜ばしいマイルストーンだと考え、より緊密な連携を実現したいと思う」とコメントした。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.